発声法の前に|第1回
「使えない息を1000吸うなら、使える息を1吸おう。」
いくら大量に吸っても、次のフレーズの頭で余計な息を一気に吐き出したり、無理に止めたりして、楽器としての身体まで崩れてしまいます。
使えない呼吸は、最初に一気に出るか、無理に止めてどこかで破綻する。
当然、息は続きません。
肺活量より、肺活”力”
そして「自分は肺活量が足りないんだ」と勘違いする。
足りないのは肺活量ではなく、肺活力なのです。
こうなると、声もうまく出ないばかりか、喉を痛めかねません。
そして今度は「発声法が悪い」と考えてしまう。
そんな呼吸をしていては、発声がよくなるはずがないのです。
使えない1000の息より、使える「1」を育てよう
一方、使える息を1吸えるようになっても、最初は息が続かないこともあります。
それは当然です。
まだ1しかないのですから。
しかし、その「使える1」が生まれれば、身体は動き、楽器として育ち、やがて使える5、10…と増やしていけます。
そうして、以前よりずっと少ない息で、表現豊かでしなやかな声が生まれ、ロングトーンもできるようになるのです。
それこそが練習であり、ウォーミングアップです。
大切なのは、どれだけ吸ったかではなく、生きた息を吸い、育てるか。
共鳴やミックスボイスなどを考えるのは、それからなのです。
次回|発声法の前に②
では、その「使える息」を生む身体はどうつくるのか。キーワードは「体の三層構造」。次の記事でお話しします。
