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【歌手の条件「自分の体が楽器になること」】を知れば発声法・呼吸法が一気に簡単になる理由

胸を開く力VS腹式呼吸VS丹田 上達のアドバイス

自分の体が楽器になること。これを浜渦ボイトレメソッドでは体の楽器化と呼んでおり、うわべではない本物の表現者になるための第一条件としています。大袈裟ではなく、歌唱や演技・声の表現の9割はこの楽器化で決まり、残りの1割が、体の中の楽器に対する演奏者の部分の仕事である呼吸法や発声法、共鳴、ミックスボイス、シャウト、デスボイス、ベルカントなどの技術であるわけです。

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皆さんは体の中に楽器の部分と演奏者の部分を分けて感じられていますか?これが本当に上達するための超重要ポイントです!

しかし多くのボイトレ受講者や今練習中の皆さんは、おそらく、この方法論、例えば腹式呼吸の練習や、チェンジボイスの練習、またとにかく繰り返して歌うなど、楽器化ではない残りの1割の技術や方法論に意識のほとんどが向かっているのではないでしょうか。

しかしそれは完全な間違いとは言いませんが、結局は遠回りになります。それはなぜか?自分が楽器化するとはどういうことかを解説することでお答えしたいと思います。これまでは楽器化するための体の使い方の説明を当ブログやYouTubeで解説してきましたが、今回は楽器化することの目的や、楽器化するとなぜ上達し、呼吸法や発声法も簡単になるのかを説明したいと思います。今回ちょっと長い記事ですが「誰も書かない最重要項目」ですので、本物の表現者になりたい人は読んで損はないはずです!

【序章】自分が楽器化できている時の感覚の話

ちょっと偉そうに吠えておりますがおゆるしを!

大切なのは、バランスが取れていることが自分でわかる状態です。こうなるともう、1の技術を教えると10を得るほど上達が早くなります。

楽しい状態の人が上達できるなら、やりがいもありますよね。そういう人の歌はもちろん伝わります。囁いても伝わります。高い声が出なくても伝わります(しかしいずれ出ます)。

それではそのバランスが取れている楽器化とは何か、楽器があるなら演奏者は誰だ?なぜそれが本物の表現者になるための最重要項目なのかをさらに解説します。

プロ歌手・役者の条件【楽器と演奏者の分離意識】

楽器を演奏する人々

普通の楽器を思い浮かべてみてください、ピアノでもギターでも、ドラムでも楽器と演奏者は明確に分かれています。そして楽器は楽器職人の手によって良い状態に作り上げられ、基本的にその形は変わりません。動くのは演奏者の方です。「当たり前だろ!」ですって?しかしこの感覚を自分の体や声に対して意識できている人となると一気にその数を減らすのです。

われわれのように歌ったり、セリフを言ったり、朗読したり、お経を詠んだりという声を出す人間は、自分の体が楽器である…ということはお分かりいただけると思いますが、そこで終わってしまう人が多いのではないでしょうか。

大切なのは体の中で楽器であるべき部分と、演奏者であるべき部分が明確に分かれていなくてはならないことです
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しかも楽器ができれば、演奏は他の楽器と比べてかなり簡単になるということです。後ほど解説しますよ♪

ピンとこない人は、今度は腹話術を思い浮かべてください。人形と声を出す人が別々ですよね。その人形が自分自身の体になる訳です。

自分の体という人形に話させる歌わせる感覚。これは一流の歌手(一過性の流行りは除く)や役者さんは必ずできていることです。場合によっては当たり前過ぎて意識すらせずにできています。

楽器化する努力はするが楽器自体は頑張らず、頑張るのは演奏者だ!

さて、以下のツイート(Xのポスト)をご覧ください。ここに凝縮しています。

自分の体を一生懸命楽器化する。
でも楽器が頑張ってはいけない。
楽器を鳴らすのは体の演奏者の部分。
これは他の楽器では当たり前のことですが、人は簡単に崩れてしまいます。重力に負けたり、表現するより世の中の波に流されたり、或いはメンタルの変化で崩れるのです。メンタルはあっという間に人間という楽器を崩すことがあります。ピアニストもギタリストもそれは同じでしょうが、ピアノ本体やギター本体がバラバラになるわけではありませんよね。
楽器職人や調律師が本番が始まったら(楽器に)手を出せないのと同じ。
もうこれに尽きます。実際には人間という楽器は可変させても良い部分が多いのですが、それはもちろんより良い表現をするためであり、楽をするためではありません。

しかし、こういう意識をキチンと持とうとする人は少なく、仮に持とうとは思ってもよくわからないという人がほとんどなのです。繰り返しになりますが、その結果自分の体の中の楽器がよくわからないまま、発声法や呼吸法、さらにはビブラートやエッジボイスなどの方法論に挑んでいるわけです。「楽器は喉でしょ?」という人もいますが、喉は楽器のほんの一部分。トランペットのマウスピースに当たるようなイメージで、本体ではありません。

人が自然に楽器と演奏者を分離できているシーン

自然にできている時もあるんです。耳を澄ませている時や、鬼ごっこやかくれんぼで鬼との間合いを図っている時。ジェットコースターで悲鳴をあげる時やとても興奮している時。

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実はこれ、物心つく前の我々はみんなできていたことなんです。それを取り戻しましょう!才能なんて関係ないです。かつてはできていたのですから♪

体の楽器化のヒントとやってはいけないこと【緊張・萎縮してしまう人へ】

ヒントは自分の好きな歌手や俳優などの表情や雰囲気を真似ること。そんなことできるの?できるんです。映画館で息を呑むようなシーンでは皆さんも一緒に息を呑んでますよね。ですから私もレッスンでは生徒さんが一緒に楽器になってしまうような表現を心がけています。これが共有というやつなんです。真似というと、声や格好を真似しがちですが、それはしないでください。これが文章や動画ではなかなか伝えられない部分なのです。

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やっぱり体験レッスンに来てください…これが楽器化か!表現か!という楽しさをお伝えします♪

さて、今度は何をするとだめかと言いますと、楽器化できる前に声真似もそうですが、一番は萎縮すること、させられること。脇腹周りが硬くなったりすると楽器化は望めません。ですから私はレッスンでは絶対怒りません。萎縮させるなんて表現者としては失格です。それを「乗り越えてこい!」という昭和的な考え方は単なる根性論です。多くの人は挫折したり、余計に下手になったりしておしまいです。

ところがですね、、、楽器化ができて、それをキープできれば、自分を客観的に見られるようになる…つまり自分を他人のように捉えられるようになるために、萎縮しなくなるんです。緊張しなくならない…のではなく、緊張しても大丈夫になるんですよ。面白いでしょう!

上達できない人必読!自分の体が楽器化できていない人や楽器と演奏者の分離ができないとどうなる?

体が楽器化でき、さらに楽器の部分と演奏者の部分の分離意識ができれば、上達は驚くほど早くなります。その理由はまもなく書きますのでもう少しだけご辛抱を。

まず逆に楽器ができていないとどうなるかを考えてみましょう。楽器ができていない状態は、そもそも人間としてバランスが取れていない状態であり、未完成な楽器である状態。もっと言えば壊れた楽器の状態です。

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壊れた楽器にどんなに、鼻腔共鳴や腹式呼吸やファルセットやらビブラートやらを詰め込もうとしても…それは無理な話ですよね。

できたとしてもそれはうわべの、格好だけのそれっぽい歌やセリフであって、仮になんとなく上手くても、本物ではないでしょう。

よくよく考えると、楽器の形やバランス調整ができていないのに、練習することすら難しいですよね。今から自分がどんな楽器を演奏するのかわからないまま、演奏法などあり得ないはずです。

しかしここが日本人のクソ真面目というかちょっと問題なところで、自分が表現者としての楽器化していない、またその意識ができる前に、やたら正しい呼吸法や発声法を追い求めてしまうんです。

厳しいことを言いますが、多くの人は、ボイストレーナーすらも、9割を占める楽器化を考えずに、残りの1割に過ぎない正しい方法、しかも楽器ができてないのに正しい方法を追う、そこに疑問を持たないのです。

実は発音だって楽器化でほとんど解決します。なのに舌の位置がどうの、滑舌がどうのと学問化してしまい、正しいのに伝わらないという悲惨なことがそこかしこで起こるのです。

分離できていない人、声を出すのに躊躇してしまう人

また体の楽器化ができても、楽器の部分と演奏者の部分が分離できていない人もいます。これは楽器を守ると何もできなくなり、声を出そうとすると楽器が崩れてしまう。これは本当に多いパターンです。感情が豊かな人や歌が大好きな人は、自然に体が楽器になってくれやすいのですが、しかし歌うと崩れる。「歌う直前まではよかった」みたいな状態です。

また「はい声出して〜」と言われても躊躇してなかなか出せない人は多いですよね。私もそうでした。それは自分の中に楽器がなかったり、楽器と演奏者の部分が固着してしまっている状態なんです。楽器がなければ戸惑って当然なのです。

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こうなるとしまいには嫌になってしまうか、高い声が出るのが偉いとか、そういう方向へいきかねませんよね…。

楽器化については以下の動画をご参考いただければ幸いです。体を開いて喉と接続する訳です。

この楽器化に演奏者との分離意識ができれば「思わず出るような声」「話すような自然な声」が生まれます。
それを実践しいるのがこちらの動画です。

楽器化ができればなぜ発声・呼吸法が簡単になるのか

他の楽器の場合、いくら職人さんがちゃんと作ってくれたとしても演奏者がその演奏技術を磨くのは大変です。ピアノやギターは、楽器は最初からあるわけですから、演奏者の技術や、演奏表現が大きなウエイトを占めます。もちろんこれらの楽器も演奏者自身も楽器になる、または楽器と一体化しなければなりませんが、声を出す人間はもう自分が楽器そのものであり、自分で作って維持して調整する訳ですからもうそもそも事情が違います。

ところが!!楽器さえできてしまえば、あとの表現技術は驚くほど簡単です。つまり我々のように声を出す体という楽器は、楽器さえ完成してしまえば、演奏は簡単だということです。考えてみてください。

楽器が完成し、その形を一切動かさずに呼吸することができれば、その時点でその呼吸は必ず、その楽器に合った形で正しい呼吸法になっているはずです。さらにその呼吸で出る発声は最初は情けない声でも素晴らしい表現の第一歩です。
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なぜなら人間の場合、感情や表現は楽器に宿るからです。それを表に出すのが呼吸であり声なのです。

一方、楽器ができていないと腹式だろうがなんだろうが、ちゃんと声が鳴るわけがないのです。

楽器化を崩さずに行った呼吸は自然と腹式中心になります。そうしないと楽器が崩れる、また楽器を崩さず腹式ができないと窒息してしまうからという、明確かつ簡単な理由です。さらにその呼吸に乗った声は、もちろんどんな声だろうと、伝わる声の第一歩となります。

ずばり楽器化で技術が簡単に上達する理由は「楽器化ができてその状態をキープできると演奏者は勝手に動き出す」から!?

ずばり、なぜ簡単になるのかと言いますと、体のほとんどが楽器になるために使われているので、あと呼吸と発声に使える場所は、声帯と横隔膜と丹田くらい。

つまり使う場所が少ないからです。単純でしょう?人間は原始的な楽器なのです。だからこそ、演奏技術よりも楽器そのものが大切なのです。

使う筋肉や意識すべき場所が減れば簡単になるのはあたりまえなのです。さらにしかも声帯や横隔膜・丹田というのは体が楽器化してしまえばほぼ自動的に適切に動いてくれるというすぐれもの。
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そもそも声帯や横隔膜は意識して動かすものではないんですよ。返事をする時声帯を合わせて振動させよう…なんて思わないですよね…思っても無駄なんです。

さらに楽器と演奏者を分けてくれるために、その調整薬として体幹(とりわけ背筋)も自動的に動いてくれます。これらによって肺が自由に柔らかく、喉にもダメージがなくなる。たとえシャウトやデスボイスを出しても壊れなくなる。もちろん私も声楽からシャウトやデスボイスまでやりますしきちんとお教えしますよ!

逆に楽器化していなければどんなに横隔膜を動かそうとも、声帯をいじろうとも全く自由には動いてくれないのです。

なぜ自動的に動くのか?自動的ってそんなことあるの?言…これは文章で書いてもしかたないので、体験レッスンにお越しくださいね♪実感させて差し上げます(宣伝…?)

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声を使うすべてのジャンルで体の楽器化の仕方はほぼ同じ!?

声や体を使うジャンルは、声優・俳優・ナレーション、演劇や朗読、僧侶のお経、歌でも声楽・ジャズ・ポップス・ロック、あらゆるものがあります。

「声が違えば体の使い方も違うんでしょう?」

それがそうでもない、どころかほぼ同じです。ですからモノマネ芸人のすこい人は同じ体の使い方からあらゆる声を出せるのです。もちろん同じ理由で私は、あらゆる声のジャンルや演技指導もさせていただいているわけです。

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私もモノマネ得意です♪生徒さんはご存知ですよね!?

体の楽器化ができるからその方法を研究し尽くしたから教える権利もあると思っていますし、実際私は、声楽・ポップス・ロック・声優・俳優・NA等、あらゆるジャンルの声をそのジャンルにあったスタイル出せます。出せないと教えちゃいけませんよね。

【個性の秘密】ジャンルや個人でも声質は違うのに体の使い方は同じってどういうこと?

楽器の使い方が同じ理由を言いますと、どんなジャンルの声の表現でも何かを感じ伝えるという点では同じ。そして骨格や手足の人間の作りとしては基本変わらない。ならば、使い方も変わらないのです。ポップスだからお腹は使わないとか、声優だから喉と胸をバラバラにしていい…そんな訳はないですよね。

ではなぜジャンルの違いが起こるか?それは楽器化の後に活躍する体の演奏者の部分である、声帯の薄さ厚さなどが違うからです。息の圧力をかけるお腹周り(丹田や横隔膜)、それらを制御する背筋も変わってきますが、基本的にはどのジャンルも同じです。

でも人はそれぞれ背格好や声帯の大きさや長さも違いますから、同じような使い方で同じジャンルでも差が出てきます。それを個性というのです。

お客さんは声から呼吸、呼吸から楽器、楽器から気持ちを感じている

体の楽器化というのは、体の中にワクワクした感動や気持ちを作られている状態です。それを崩さずに息を吐けば、その呼吸はとうぜんワクワクしたものになり、その呼吸に声が乗ればそれがより分かりやすい形でお客様に届きます。

言うなればお客さんは呼吸を聞き、そこから気持ちを感じ取るのです。そしてその気持ちは頭の中の喜怒哀楽ではなく、体の楽器化で決まるのです。

よく「気持ちを込めろ」と言われてやっているのに「こもってない!」などと怒られる人がいます。気の毒で仕方ありません。一方で、気持ちなんて何も考えていないのに、体がワクワクした楽器になっている人は褒められる…頭で思うだけでは気持ちは伝わらないのです。

つまりどんなにキレイな声でも、立派な声でも、高い声がでても、大きな声が出ても、カラオケの点数が高くても、その声からその人の呼吸→楽器→気持ちを感じさせられなければ、伝わらないのです。カラオケの点数そのものやただ高い声が出れば偉いというような面倒くさい人は除きますが・・・。

【最後に】楽器化を教えてくれる人はいない、なのに上手くなる人がいる理由

教えられなくても、習わなくても上手くなる人、上手い人…たくさんいますよね。それは最初から楽器化ができているか、余計なことを教えられても、楽器化を失わない人、すごく勘の良い人でしょうか。動物的感覚が優れているわけです。よく言われるのは大人になっても少年のような人ってやつですね。

運動神経がある程度良い人や、若い時にスポーツに打ち込んだ人は、自分の体を客観的に観察する癖がついているのである程度体の楽器化を気づけば自分でやっているわけです。

また、全くできていない人もいれば楽器化が5割くらいなんとなくできている人もいます。楽器化ができればできるほど方法論は簡単になる訳ですから、場合によっては「気持ちを込めろ」とか「お腹で踏ん張って」とか「声帯を集めて」のような普通の人なら「なんのこっちゃ?」みたいな指導でも勝手に上手くなってくれます。つまりこれは先生のおかげではなく、生徒が勝手に上手くなってくれてる訳ですね。

そもそも声帯や横隔膜というのはほとんど意識して感じることのできない器官です。それが動いてくれるのは、その他の大多数の部分ができているから、つまり楽器化ができているからです。

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実は声帯や横隔膜は楽器化ができると勝手に動いてくれ、できていないとヘソを曲げてしまうおもしろくも不思議なものなのです。ほんまやで!!!

私がボイストレーナーになった理由。それは方法論を実現する方法を教えてくれる人がいなかったからです。その答えを探し、研究し尽くした結果たどり着いたのが、体の楽器化であり、演奏者との分離です。

それができると歌嫌いも歌い出す楽しさがあるのです。次は君の番だ!

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