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『目力』目の使い方で声や呼吸、喉や体の開き方も表現も変わる

目力のある猫 上達のアドバイス

ボイストレーナーの浜渦です。「目力(めぢから)」という言葉がありますよね。目の使い方ひとつで、発声や呼吸は大きく変わります。これは感覚の的な話ではなく、実際目の筋肉と喉や胸を開いたり閉じたりする筋肉は密接な関係になあり、呼吸や声帯の閉鎖の力とつながっているからです。呼吸法、発声法はいろいろなものが提案されていますが、考え込んだような目をしている人からは、考え込んだような呼吸、響きしか生まれないのです。

今日はそんな「目」について。これまでいろんな発声法や呼吸法を研究してもなかなか上達しなかった方が、意外に使えていないものに目があります。また「ただ目は開ければ良い」「相手を見れば良い」というのも間違いです。

初心者の方やあがり症の方は呼吸や発声法など、難しく考える前に、誰にでもできるこの「目の使い方」を参考にしてみてください。スマートフォンやPCを見るときにも活用していいただければ、肩こりや姿勢の改善にも繋がりますよ。

4つの目の使い方(視界の捉え方)

さっそくですが、以下の4つの目の使い方を意識してみてください。みなさんは普段どのような目の使い方をされているでしょうか。

①中心を見つめながらも目を見開いて空間にあるもの、視界に入るもの物全てを意識して同時に見る→表現者の目
②中心を感じず視界を広げ、に入るものを全てを見る→周りしか見えないバラ色?の人の目
③視界全部がぼやけている状態→脱力できているがフヌケの人の目
④一点だけを見つめて、周りが見えてない→スマホを見る目
答えは出ていますね。①の目ができると、姿勢も呼吸も良くなり、大舞台に強くなります。思いついたらやってみてください。逆に④をやると、なぜ良く「スマホを眺めてばかりいるのが危険」と言われるのかもわかります。…ということは、うまく①の目ができれば、スマホを見るのも大丈夫ということに…
なぜこんな差ができるのでしょう。
目の使い方が体の動きや呼吸や声には密接な関係があるのです。

良くも悪くもなる『目の使い方』解説

①『表現者・役者・歌手の目の使い方』の解説

①の目を見開いて、中心を意識しつつも、視界に入るものすべてを意識して見るとはどういうことかと言いますと。たとえば、正面を見ていても、壁や天井、机の上にあるもの、いろんなものが目に入ってきますよね。それらを同時に、目は中心において、目線(黒目)を動かさずに見る(感じる)ということです。たとえば相手の目を見つめていても服の色や靴の色も、目線を動かさなくてもなんとなくわかる…というように。

HIRO
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これは表現者、歌手、役者の目の基本的な使い方なのです

でも、ずっと見開いているって変じゃないの?

HIRO
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この目の使い方ができた後は、目線を動かしても、目を閉じても、表現者としての目はキープできますよ。まさにこれが目力です!!

 

この目ができると大きなステージでの表現力が大幅にアップします。表現者の本分は、空間というキャンバスに呼吸という絵筆、声や演技という絵の具で自由に描き出すこと。これはまさに目線が大きな力を発揮します。

表現者の目が声帯をしなやかに伸ばしつつ閉鎖する呼吸も変える!

実は①の表現者、歌手、役者、の目は、感動したり、ひらめいた時の目の再現であり、メリットがたくさんあります。そもそも、歌い手の担う大きな役割は、そんな感動や閃めきを呼吸に託し、声で届けるということですからこの目が重要であることはお分りいただけると思います。

空間全体を見て感じる力があれば、胸も喉も自然に開き、息も自然に入りやすくなります(人によってはこの目をしただけで、体が楽器になるような呼吸が入ります)、一方で中心を見る力は無意識の声帯閉鎖につながり、これが喉周りの開放する周りを見る目と連動するわけです。

つまりこの二つのバランスが取れることで、イメージで言えば、声帯の外側を広げる力と声帯の内側を閉鎖する力のコントロールが容易になり、り声帯は薄くしなやかに伸びつつ、息を捉えます。そして絵薄く伸びているために、声帯が閉鎖しても、振動して呼吸が止まることはないのです。強さと柔らかさを持った声に進んでいくのです。

信じ難いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、気づいたら姿勢も良くなり、自動的にお腹にも力が入って、悪いことはありません。やって損はありませんよ♪

バラ色?腑抜け?②③の目の使い方の解説

②の周りしか見えていない目は、体は開いて呼吸はしやすくなり、気分も上がりやすくなりますが、自分と相手という個人の存在より、空間そのものが全て、といった体の使い方になりがちです。広がりはあれど、芯のない抑揚のない声質につながりやすく、相手の心に届きにくくなるでしょう。

ただ…意外と幸せな目なのかなあとも思います(笑)

③の全体がぼやけている目は、脱力はできますが、文字通りぼやっと腑抜けている状態。良く勘違いされるのですが、脱力と自然体はイコールではありません。表現者にとっての自然体とは、自然界で生きていけるような体の使い方であり、しなやかさと緊張感が必要なのです。

④スマホを見る目は声が硬くなり、高い声が出ない目…改善方法は?

④はみなさんおなじみの、スマホやPCに没頭している目です。中心を見る目は声帯を閉鎖に導きやすくなりますが、それ以上に喉周りも喉も縮みやすく、息の出口が閉まり、呼吸が止まりやすくなります。気づかないうちに、唸ってしまっていることも。だからと言って「パソコンやスマホを手放せ!」と言ってもむずかしいですよね。

そこで、①の表現者の目でスマホを見てみましょう。スマホの画面をみながらも、周りの人や、景色も同時に感じようとして見てください。肩こりや姿勢改善にも繋がりますよ。

中心は見るが、周りは見えていないという、内側だけを閉じる使い方は、高い声が出ないという方が良くやってしまう失敗でもあります。高い声は強い息と強い声帯の閉鎖が必要です。つまりある程度、喉を閉めるという感覚は間違っていないのです。だからと言って、内側だけを閉じてしまえば、声帯が団子のように分厚く重なり、振動がとまり、息がつまるか、一気に声帯が開いて、汚い絶叫のような声になってしまいます。

息が強くなったり、声帯がすればするほど閉鎖するほど、一緒に楽器である体も閉じようとするのが大きな原因です。これは自然表現のルールを守れていない証拠です。これは多くの方が経験したことがるでしょう。特に体と比較して声帯が大きい方はよくある話です。

体を広げて楽器化し、それを邪魔しない程度で強い息を作り、息が止まらない程度の声しか出してはいけないというの自然な声のルールです。

しかし、教える側が声帯がコンパクトでなりやすい人の場合、この苦労はなかなかわかってもらません。「余計な力を入れるな」とか「舌根をおろせとか言われて」ますますわけがわからなくなる危険もあります。

体の開き方(楽器化)は、浜渦ボイトレメソッドの基礎となるものですが、目の使い方だけでも改善に役立ちますので、ぜひ表現者の目を参考にしてくださいね。

 

呼吸法・発声法だけではうまくならない!

表現者

ボイストレーニングや声楽、演劇をどれだけ学んだり、習ったりしても、なかなか上手くならない方は大勢います。精神論的なレッスンは論外としても、方法論をバッチリ勉強して、一生懸命練習しても、なかなか上達しない人はいるのです。

才能のは関係あるのか

才能がないのか…そんなことはまずありません。というより、関係ありません。むしろ、みなさんが才能をお持ちです。ではなぜその才能が出せないのでしょうか。

声は、ミックスボイスや共鳴といった、よく聞くなんとなく耳障りの良いものよりも、ずっと前に習得しなければなかなか前へ進めないものがあります。その代表格が、体と呼吸と声のバランスであったり、この意味のある目の使い方です。

これは本当にレッスンではほとんど教えてもらえず、それこそ才能のせいにされてしまうところです。基礎の基礎なのですが、これらができなければ、腹式呼吸も●●ボイスも形だけのものになってしまい、体全体で表現するということからは遠く離れてしまいます。

ここで解説した目の使い方ですが、声が苦しくなると、目を閉じたり、人によっては白目を剥いたりする人もいます。大切なのは、苦しくても無理にでも目を開ける、ではありません。この表現者の目ができる範囲以上の声や音域や速さを、求めてはいけないということです。つまり、表現者を捨ててまで出すべき声はないということです。

自然表現を導く体と声と呼吸のバランスを覚えよう

体と呼吸のバランスを取ることを覚え、目の使い方や喉の開き方を覚えていけば、体はどんどん感動を伝える楽器化していきます。そうすると、表現者の目のまま、バランスのまま、自然な音色、意味のあるボリューム、感動的な高音、感情を押し殺したような低音を出せるようになるのです。どなたにでもです。しかし、筋肉運動ですからバランスが取れれば、一瞬でできる人もいますが(すでに筋力などは足りていたがバランスだけが悪かったパターン)、多くの方は3ヶ月〜2年くらいはかかります。

しかし、手っ取り早く上手くなろうとしてあっという間に10年20年と経ってしまう方が多いのです。ぜひじっくり体を楽器に鍛えることで腹式呼吸も自動的に身につくことを理解し、自然に語るような普通の、でもあなただけの声ができた後(基礎の完成)、共鳴やミックスボイスなどに進んでください。基礎ができればテクニックはすんなり、しかもかなりの部分は習わなくとも入ってきますよ。しかし、基礎が曖昧なまま呼吸法や発声法、さらにしゃくりやビブラートなどをやりすぎると、見てくれだけで中身のない、相手に届かない歌やセリフになってしまいます。

人に伝わる、多くの人と空間を共有できるような表現を、その方法を、これからもお伝えして参ります。

 

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