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歌唱に才能は関係ない理由と、本当に上達するための2つのポイント

ボイトレメソッド&練習法

本当にうまくなりたければどうすればよいでしょうか?どんなに練習しても、良いとされるメソッドのレッスンを受けてもうまくならない人は大勢います。むしろ袋小路にはまりこんで、余計に迷って下手になる人も。今回は、本当にうまくなる(=相手にも自分の心にも伝わり、感動させられる)ために本当に必要な2つのポイントと、それがいかに才能と関係ないかを簡単にご説明します。もちろんここで言ううまさとは誰かと比べてとか、カラオケの点数的なものではありません。長年第一線で活躍している人ほど音程幅や呼吸の流れといった楽譜や実際の音には表れないもので表現し、感動させるからです。そもそも感動や気持ちは点数化したり見えるものではありませんからね。

前置きが長くなりましたが、本文は短いです。短いとSEO的にはよろしくないとかあるらしいですが、だらだらと文字数稼ぎはしたくないので…の予定が書いたら4000字になってました。でも目次で気になったところだけお読みいただければ幸いです。それでは始まり始まり。

本当にうまくなるための2つのポイントを知ろう

本当に上手くなりたければ、以下の2つのポイントが重要になります。

●反応できる体を持つこと(楽器化)
●上手く歌おうという気持ちを捨てる

この2点につきます。反応できる体とは、驚いたり悲鳴を上げたり、笑ったりする直前の状態を作るとでも言えばよいでしょうか。自分を騙し、自分にフェイントを掛けられる状態友言えますし、短距離走のスタートの音を聞いて反応してスタートする。モグラたたきゲームで反応して叩くなどと同じ能力です。これは、上手くやろうとか、勝手な予測をすると失敗するどころか、たとえスタートが決まったりモグラを叩けても単なるまぐれの上、不自然極まりないのに、スタートは決まってもそのあとの結果は惨憺たる結果になるでしょう。

本物のうまさを持つ人は、上手く歌おうとしていない

本当に上手い人は(前述の通り、カラオケの点数とか人と比べてではないもっと自由な表現)決して上手く歌おうとは思っていません。上記の2つをとことん突き詰めているだけです。それを突き詰めた上で、そこに何をどのタイミングで乗せるかということを考えるのですが、それが本当の意味でうまくなる練習です。

うまく歌うという概念が、一般人のそれとは違うのです。「いや、それは才能があるから」「僕たちとは住む世界が違うから」なんていうのは早計です。

後で述べますが、才能は関係ありません(断言)。そして住む世界は同じです。何が違うかというと、うまくなるための、また表現に対する価値観が違うだけです。

価値観が変わればどんな声も良い声に聞こえる

この価値観を変えることができれば、誰だってうまくなるのです。もちろんカラオケの点数的ではなく。たとえ声がガサガサでも、小さくても、決して恵まれた体格や声帯でなくてもです。

自分から出た反応の呼吸に更に反応させた声を修正し、カスタマイズし続けているだけです。もちろんミックスボイスはおろか、呼吸法も、発声も考えていない。考えたことすらない人も多いのです。

なぜなら反応で出た声で歌えばそれらは自然と身につくからです。ですから、レッスンでは本来、そういう反応できる体を作ること(体の楽器化)が必要です。それをなくして先にミックスだ、正しい音程だ、声帯の閉じ方だなどとやると、経験上ほぼ失敗します(ソコソコまでは行くがあっという間に頭打ちになる)。ただしみなさんがズバ抜けてカンの良い人なら話は別ですが、私はズバ抜けてカンが悪かったので、大失敗しました。

私の大失敗=論理的現代ボイトレの落とし穴

ついでにどんな大失敗かといいますと、高い声が出なかったのが、どうしようもなくツマラナイ高い声が出るようになり、良い声と言われていた持ち声はやせ細り、表現力が以前にもましてガタ落ち、結果としてうまいフリをするというもう消えてしまいたくなるような結果となりました。これは現代ボイトレの一番の問題点だと考えます。そこそこできるようになり、その人の個性や本質を潰すという…そこで本当に上手い人が何をやっているか、感動するとは体をどうすることか、伝えるとは何をすることか、どうすれば気持ちをスイッチが入るかなどをを研究し尽くしたのが浜渦メソッドなのです。

反応を止める要因

しかしたとえ反応できる体を持っても、上手くやろうとする気持ちがあると反応ができなくなります。上手くやろうとする気持ちとは、最初からいい声で正しく、習ったとおりに、正しい音程で、間違えずに、恥をかかないように、失敗したらどうしよう、人に変に思われないようにやろう、という数々の思惑(おもわく)のことです。

この時点で思わず出る声、つまりなにかの外的要因で出る声はまず不可能になります。

そもそも横隔膜や声帯というのは自分の意志で動くものではありません。しゃっくりやくしゃみ、笑い声や無き声は自分の意思で生まれるものではなく、むしろ我慢しようとするものですよね。

だから上手くやろうとしてはいけない。でも上手くやろうとしてしまうのは、日本人のもつある種の強迫観念かもしれません。

だからレッスンでは決して萎縮させてはならないのです。劣等感をもたせてはいけないのです。ついでにできてないのにおだてることもしない。ただどうすれば楽しく自由に歌える体になるかをともに考え、実践し笑い、探す時間です。そうでないと教える方もツマラナイし、ただの知識の伝授ならボイストレーナーや声楽の先生なんていりませんし、怒って育てるなら、どこかからカミナリオヤジを連れてきたほうが早いです。

自分だけの表現を生み出す反応を作るイメージ練習

  • ボクサーがいつパンチをどこから浴びるか、こちらもいつ攻めるか
  • かくれんぼでどこから相手が現れるか
  • 誰もいないはずの古い洋館で近づいてくる足音、それはどこからか
  • 暗闇で忍者に囲まれた忍者、どこから斬りかかってくるか
  • 綱渡りでどこから突風が吹くか、いつ揺れるか、落ちそうになるか、それを耐えるか
  • 短距離走のスタート音を息を殺して待つ

これらを考え、想像し、実践してみてください。レッスンでも生徒さんと一緒にやります♪

つまり予測とか決めつけではなく、あらゆるタイミングと方向性に対しての可能性を捨てない状態を作ることです。

そこから瞬間的に声を出す。つまり歌も上記にならべたものと同じような緊張感が必要なんです。バラードでも優しい歌でも。

反応は鈍くてもOK。違う音程が出てもOK。反応であることが大切。二度と同じ反応ができないから面白いのです。多少鈍くて結果、最初の音が遅れても、それが新しい音楽を作るのです。遅れたり違う音程変な声が出ても、その後修正すればよいのです。それが…自然な反応+楽譜やセリフ=自分だけの表現

何が何でも「サンハイ!!」で入ろうとする人は、この緊張感は作れません。むしろ、失敗したらどうしようといういらない心の緊張に支配されて終わりです。

こう考えると、私が、歌唱力=呼吸の緊張感=演技力=話す力、これらがイコールでつながるという意味もおわかりいただけるのではないでしょうか。

楽譜通りに歌うな!?

私は11年前に旅立った親父に言われたことがあります。

「楽譜通りに歌うな」

もちろん、無理やり崩すとか間違えた音程を出せとか言う意味ではありません。楽譜に書いてある音はあくまで平均であったり、目安であったり、また音と音は直線ではなく自由な波の曲線で繋がれているという意味です。これを覚えると高い声もぐんと楽に、また、音程も発音も曖昧なのに、なぜか美しくむしろ良い音程と発音に聞こえるという、とても面白く楽しい逆転現象が起こります。

それを多くの方に体験してほしいのです。せっかく生まれたのだからこの人間の面白さに気づいて、実践しないともったいないですよ♪

ついでに…数々の伝説を持つ親父の若い頃と晩年の写真を…すごいでしょ(笑)

父・浜渦章盛の若い頃と晩年

才能が関係ない理由

もちろんここに才能は関係ありません。年配の人ほど、才能のせいにしたがり、またそれを謙虚さだと思っているフシがありますが、むしろそれは謙虚どころか不遜だと思っています。

つまり、人間が持つ自然な反応を捨て、上手くやろうとしたヤツから才能のせいにしたがるわけです。(あえてヤツと言わせてください)

なぜなら、反応ではなく操作で、また修正ではなく、最初から上手くやろうとすると、反応や思わず出る呼吸や声は出せない=才能は出せるわけがないからです。

才能を出したこともない。つまり自分の才能を知らない。それを才能がないと言うわけです。それは不遜ではないでしょうか。物心つく頃までは誰でもできていた自由な反応。それを取り戻してこそ本当の大人ではないでしょうか。偉そうにごめんなさい!

才能が関係してくるのは才能を出したあと

もちろん安定してなるべく普通に普通に生きようとすると、自分を封じ込めて上手くやろうとしてしまいます。しかしそれを謙虚と言ったり、大人になることだというのは人生のゴマカシではないでしょうか。こんなこと好き勝手に書くからまたどこからか文句も出るのですが…こんなことは勢いで書くものです…よね。

前項で述べたように、自分の自然な反応であれば遅れたら遅れたで面白いし、早めに出たら出たで面白い。違う音程が出たり、変なダミ声でも、それが自然な反応から出ればもう「しめたもの!」そこに音楽や言葉を乗せてこその芸術ですよ!そして芸術なんて誰にでも楽しめるもの。決して崇高でも特別なものの人のものではない。なぜなら誰でもできるから。

そうでなければボイストレーナーなんてつまらなくてやってられません。ただ正しいとされる腹式呼吸や反応を無視したミックスボイスや感性を壊す音程・カラオケ点数至上主義なものを教えるくらいなら、この仕事辞めてます。

兎にも角にも才能を嘆いたり、才能のせいにするのは才能を出しきってから。それは再三言っていることであり、私がレッスンをする理由です。その後で優劣がつくのは仕方がありません。むしろそれこそ豊かな世界だと思います。出さずに上手くやったり、出し抜くのも否定はしませんが…本当はみなさんもそんな世界嫌でしょう?

もし思わず出た自然な反応を馬鹿にしたり、きれいな声でとか正しい音程で!なんていうやつがいたらは…オレんとこにつれてこい!!です(笑)

俺たちはロボットじゃない!

でも機械的にやる練習もときに必要だからまた難しい話なんですが…例えば喉を開けるの意味…以下の動画と概要欄を参考にしてみてください。

 

 

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