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「通る声」はデコピンと同じ?響く声・大きい声の違いと、気持ちと共に届く声の条件

上達のアドバイス

ボイストレーナーの浜渦です。

「響く声」「大きい声」「通る声」の違いを、明確に理解できていますか?

ボイストレーニングを始め、歌、演劇、声優などの世界ではよく使われる言葉ですが、
響くのに届かない、大きいのに近くの人にしか聞こえない…
…間違った努力で行き詰まっている方が非常に多いのです。

では声が通るとはどういうことなのでしょう?

通ることと、響く声・大きい声との違いは何か?
そしてそれらはどういう関係にあるのか?

解説してまいります!

「届く声」と「失速する声」の決定的な違い

結論から言うと、それぞれの正体はこうです。

  • ● 通る声
    ➔ 息が詰まらず、水を撒くホースのような「圧」と「細さ」がある状態。だから、小さくても客席の奥まで届き、マイクにも綺麗に乗ります。
  • ● 大きいけれど、届かない声
    ➔ 体の内部の圧力が足りず、息がただ「太い」だけの状態。出している本人は大声のつもりでも、劇場の途中で失速するばかりか、太い息は、息が続かないなどの弊害もあります。
  • ● 響くけれど、届かない声
    ➔ 体の外側が力んでしまい、息が詰まっている状態。どんなに体内で響いていても、その響きが体外に出てきません。

共鳴(響き)やボリューム(大きさ)というのは、「通る声」という土台に乗せて、初めて生きるものなのです。そして、そのバランスが変化するからこそ、音楽や感情が自由に動き出します。

通る声とは、「外側の脱力」と「内側の入力」の絶妙なバランスでしか生まれません。
がむしゃらな力任せでも、逆にただダランとした誤った脱力(腑抜け)でも、何も生まれないのです。

響いても大きくても届かない声=別名「そば鳴り」と「舌根」について

読んで字の就く、「そば」にいる人にしか聞こえない声のことです。
気道が詰まっているため、よく響いているのに、何か防音室の中から聞こえるようで届かない。
大きいけれど、途中でお辞儀をするボールのように相手まで届かない。

よく響いて、しかも大きいのに通らないとなると、それはもう騒音でしかありません。
気になる声ではなく、気に障る声になってしまいます。

原因の一つに、響かせようと息を集めるつもりが舌根が上がる、というものがあります。
よく「舌根を下げろ」と言いますが、これは間違い。
そもそも、舌根がなぜ上がったのかがわからないと、解決はしません。

さらに舌根で息の通り道を塞いでいるところへ大きい声を出そうと、息をたくさん当てようとして、喉を痛めたり、声帯が一気に開いて楽器を壊したりと、悪循環へ陥ります。

デコピンの「親指」と「人差し指」の関係

この「外の脱力、内の入力」という感覚、少し難しいですよね。
これを分かりやすく「デコピン」に例えてみましょう。
指で相手のおでこを弾く、あれですね。

デコピンをする時、パチンと弾く「人差し指」にパワーを溜めてくれるのは、それをガチッと押さえている「親指」ですよね。

もし、弾く側の人差し指自体が最初からカチカチに力んでいたら、どうなるでしょうか?
力ばかり入って、全然しなやかに弾けません。
弾く時に親指が一緒に動いても力が抜けてしまいます。

逆に、人差し指の力は完全に抜けていても、土台となる親指がしっかりバネ(抵抗)を作っていれば、もの凄い勢いでパチン!と弾けますよね。親指の上に小さなボールを置いておけば、それだけで遥か彼方まで飛んでいきます。

そして、デコピンの最も面白い(?)ところはここです。
デコピンをされる相手が「痛そう!怖い!」と恐怖を感じるのって、指を弾いた後でしょうか?

違いますよね。「弾く前」です。

余計な力が抜けた人差し指と、強固なバネを作っている親指のバランス(構え)を見た瞬間、周りの人々はこれから起こるインパクトを察知して恐怖するのです(笑)。

そう!声も演技も全く同じなのです。
今から何かが起こる!この予感を与えずして、感動はないのです。

デコピンしながら声を出してみましょう

ではみなさん、ちょっと意地悪な気持ちを持って、デコピンをする真似をしてみてください。
自然に息を吸って、踏ん張っているはずです。
これが1. 体が楽器化して(胸周り〜喉〜表情筋も開く)、2. 演奏するためのバネ(腹圧)ができた状態。(※「溜め」の待機状態ですね)
これはラケットを構える時、ギターやピアノを弾こうとする時も同じ。

この踏ん張りが絶対に抜けないように維持しながら、指を弾きながら、3. 息をハッと出してみてください。
すでに腹式呼吸も始まろうとしているはず。

そして、4. そこに声が乗れば…届きますよ。

「気持ちを込める」の具体化と声として放つまでの順序

  • 1. = 気持ちのスケール感の醸成
  • 2. = 気持ちを込めるを具体化
  • 3. = 気持ちを前へ出す
  • 4. = 声という手段でよりわかりやすく、多くの人へ届ける

頭の中だけで気持ちをこめても届かないんです。
全ては1.〜4.のバランスとタイミングなんです。
どれを端折っても、順番を間違えても前には飛ばないのです。

声は、自分自身が楽器ですから、このシステムが見えないからわかりにくいしタイミングも取りづらい。
だから、親指が踏ん張るような力を忘れたり、声を放つタイミングでぶれてしまったり。
だからこうして見える化することも大切なんですね。

よろしければ以下の記事も参考にしてくださいね。

音が鳴る前に、すべては決まっている

声が出る前の、柔らかく膨らむ「身体の楽器化(人差し指の脱力)」と、そこにエネルギーを溜める「腹圧(親指の入力)」
この2つのバランスがバシッと決まった時点で、これから出る声が相手にどう届くかは、音が鳴る前にすでに、ほぼ 100% 決まっているのです。

私が以前からお伝えしている、
「① 楽器化(溜めの準備)➔ ③ 溜め(待機)➔ ② 演奏(解放)」
という表現のメカニズム。

多くの人が②の「演奏(鳴った音の大きさや響き)」ばかりを気にしますが、本当に大切なのは、音が鳴る前の①と③のバランス。つまり「デコピンの構え」の美しさなのです。

以上からわかる「オーラの正体」とは!?

ステージに出てきた瞬間から、この人は何かやりそうだ!
そう思わせる人がいますよね。

これはすでに体の外へ開きつつ、内側が絞られている。
または、それが自然に繰り返されている。

そうすると、たとえあえてだらけて見せようとも、相手は、その体の中にある、隠れた芯と、広がるスケール感と、内圧を感じとります。

私はこれこそがオーラの正体であると、定義づけています。
つまり、オーラは自分の意思で後天的に醸成することができるのです。

もちろん程度の差は人それぞれです。
でも、持って生まれたもののせいにする必要はないのです。

ここに歌唱力・表現力の中の、最も大切な伝達力、納得力が生まれます。
それがあって、正解、つまり楽譜通り、台本通りに読めたなら、なお良い。

正解だけを追うと、たとえ上達しても「うまいんだけどね…」で、終わってしまいかねません。

デコピンを打つ前のあの空気感…あれだってオーラと言えますよ(笑)
そのあと指を相手にちゃんと当てるのが正解だとしたら、
そのあと指を当てない、またはそこでやめるという「不正解」もありですよね♪


自分の声が届かない、響きがここもる…とお悩みの方。
外側をガチガチに固めて無理に人差し指を振ろうとしていませんか?あるいは、親指のバネを忘れていませんか?

ぜひ一度、ご自身の「デコピンの構え」、見直してみてくださいね。

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https://www.youtube.com/@ボイストレーニング浜渦メソッド

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■ 視聴者の声(YouTubeコメントより)

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