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どっちが幸せ?鼻歌でも上手く歌えてしまう人vs.頑張っても声すらなかなか出ない人

上達のアドバイス

苦労せずさらっと歌える人の苦悩?

苦労せずさらっと最初からあまり苦労なく、そこそこ歌えてしまう声の軽さや、器用さがある人…いいことずくめのように感じますよね。

しかしさらっと歌える理由の多くが、鳴りやすい小さい声帯であったり(気持ちが声と直結しやすい)、器用さであったりすることが多いのです。いや、これも良いことであるような気もしますが、よく言えば、簡単に上手く歌える、悪く言えばスケールが小さい。スケールが小さいとはスタートラインから躊躇なく飛び出すが、その先がない…というイメージです。

これらが邪魔をして、本物の表現にたどり着けない人も多いのです。そこそこ歌えるからその先へ行く必要を感じない人がまず多いのです。

もちろんさらっとから先の、重心コントロールなどの必要は感じる人も多いのですが、溢れるような表現を優先しようとすると、一時的に音域が狭まったり、リズムがもたついたりして、カラオケの点数も一時的に下がったり、立派な声が一時的になりを潜めたりすることが多く、そういう一時的な弊害=遠回りを避けようとして、結局ぬるま湯に浸かり続けるというパターンです。

結局そんなに頑張って歌わなくても楽しく歌えてしまうことが邪魔をするわけですね。遠回りを避けてゴールにたどり着けない、ゴールにたどり着けなくてもそこそこ満足しまうことがアダになるわけです。

いわば器用貧乏になりかねないのです。

このタイプの方はなんども歌う練習はしても、緻密な研究は苦手な傾向にあります。一方、苦労人タイプの方は、緻密にはやるけど、一曲通して歌う練習は苦手だったりします。

また体全体を必死に使わずとも出てしまったため、体力が衰え出すと一気に声が出なくなったり、声が揺れたり、音程が決まらなくなってしまうまたこのタイプに多いのです。

苦労やスランプをあまり知らなずに上手くやれてきた人が、一旦失速しはじめたり、スランプに陥ると、抜け出すのが大変なのです。そうこうしているうちに、本気の表現でないと声すらまともに鳴らなかった、スタートラインではつまずいていた人が、ついに本物の表現を手に入れ、やがて追い越していく…このパターンは非常に多いのです。

こう言ってしまうと、ではさらっと出るような声帯・体格・性格の持ち主は不利なのか?と言えば、それもまた違うのです。

どのタイプでもやるべきことは同じ

表現者

結局さらっと歌えるタイプでも、本気の表現の呼吸、体の楽器化を覚えないと、本物の表現、伝わる表現にはたどりつかないわけです。むしろ、ソコソコ歌えて感動は伝わらない…となると…それが一生足を引っ張りかねないわけです。

しかし苦労して苦労して、体と呼吸と声と気持ちが繋がった瞬間、つまり掴んだ瞬間、一気に変わる大器晩成型は、その多くが、掴む瞬間までたどり着かないか、たどり着く前に諦めてしまう。

結局、どのタイプであっても、やるべきこと、目指すべきことはおなじなんです。スケールの大きな本気の表現が必要になるんです。本来そういう伝わるスケールの大きなしなやかな人のあらゆる感情を大きく再現できる呼吸を手に入れていく過程で、呼吸法や発声法は後から副産物として手に入れていくのが本筋です。

つまり、呼吸法や発声法ができたから感情豊かな伝わる歌になるというのは幻想に近いのです。人が感動した時の体のバランス、重心がどう動くか、体がどう繋がるかを無視して、いくら正しい呼吸法・発声法をやっても身につかない、本番で役に立たないのはもう、歴史が証明しています。(それでも「正しい腹式呼吸とミックスボイスで高い声を!」なんて誘惑に負けてしまう人は多いのですが…)

もちろん、そこそこうまいとか綺麗な声というのはとても武器になります。しかし、それくらいのいまや、掃いて捨てるほどいるのも事実。もはやその程度では特徴にはなり得ないし。上手くて綺麗な声で何も伝わらないとしたら…その歌ってなんなのでしょう。

しかし、人間の自然な表現となり得るバランスとタイミングで体を使いきれば、だれでも、歌の単純な上手い下手を超えた伝達力と表現の大きさというものを得るわけです。そこに個性が乗らないわけがないのです。その表現力は音色と音程の幅や、話すような歌い方や、演技力や立ち姿というところにも如実に現れてきます。オーラというやつです。

つまり、才能なんて関係ないのです。人間の自然な表現となり得るバランスとタイミングで体を使いきるために何をするかを知り、実践すればだれでもできる。第一線で活躍し続ける、俳優・歌手・漫才師などはその才能を作り続け、また失わないように努力し続けているのです。失うのがあまりにも怖いからです。一旦失うと取り戻すのにとても時間がかかります。その間に忘れ去られてしまうのは本当に怖いことなのです。

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