もし皆さんが、歌唱力の要である「空間に安定した声と音色を届け続ける」ことをしたければ、母音や子音によって、呼吸の強さやバランスはすべて、少しずつ変えなければいけません。変えることによって、やっと口の先に「一定の呼吸」が届くのです。それはたとえ同じ音程で同じ強さの声でもです。そのためにやるべきことはたくさんありますが、今回はお腹の力の入れ方にクローズアップして解説します。
全ての子音、母音でお腹の力の入れ方は変わる!
お腹は同じ力の入れ方をしていては上手くいきません。なぜなら、このように母音・子音ごとにお腹の力の入れ方を変化させることできないと、出る呼吸の結果、つまり発声も変わってしまうのです。お腹の力の入れ方は、強いか弱いかだけではないのです。ブレスコントロールとは、ただの呼吸法ではないんですね。
覚えるのはお腹の力の入れ方ではなく呼吸の形
さて、さらにワンポイントです。子音や母音ごとにお腹の力の入れ方を覚えるとなると、それは膨大な量ですし、さらに曲のスピードや言葉の量によっても発音は微妙に変わりますし、また同じ母音でも入り口から出口までの間にそのニュアンスも微妙に変わり続けますから、不可能ではないにせよ、それはかなり難しいわけです。実際、実践でそんなことを感がえる暇もないでしょう。
基礎が固まれば、あとは呼吸のバランスを重心をコントロールすることで取り、また凧揚げの凧糸を引くように弾力を持たせることで、音楽は自動的に、自由に、自在に表現できるようになっていきます。これを信じてがんばってくださいね。
本当に上手い人は、呼吸法より呼吸の「理想形」を見続けているのです
発声法や呼吸法だけでは歌は上手くならない!?
歌やセリフ、朗読などは、どんなに発声法や呼吸法を努力して習得しても、上手くなるとは限りません。クラシック(声楽)など、20年30年と一生懸命やっていても、上手くならない人がいます。それは基本を発声法や呼吸法の正しさや、楽譜の正しさにとらわれすぎるところから始まるように思います。
しかし、こういう人がある時、本当の基本を覚えると、これまで溜めていたものが溢れ出たように一気に上手くなるのです。遠回りした分、体も声も鍛えられていますから♪
コメント