こんにちは。ボイストレーナーの浜渦です。
みなさまお元気ですか。2021年もどうぞよろしくお願いいたします。
緊急事態宣言が出ることが確定的ですね。
まずは生徒の皆様へ。
スタジオの閉鎖などがあった場合、当日でもレッスンできなくなる場合も考えられますので、いつでも私からの連絡が受け取れますよう、メールのチェックをお願い致します。
この先どのような世の中になるかはわかりませんが、お互い希望を持って前を向いていきましょう。さて、少しお時間がありましたら、新年のご挨拶に代えました駄文を、というより私の話を聞いてくださいませ(笑)
※この記事は生徒さん向けのメッセージを元に書かせていただきました。私の最終目標はなるべく話してこなかったのですが…こんな時代だからこそ、実名で言いたいこを言わねばとの思いもあり、こちらに改めて書かせて頂いた次第です。
経済苦が自死に繋がらない世の中へ
年始から死の話はちょっと演技、いや縁起でもありませんが…。昔こんな歌がありました。
♪金のない奴ァ俺ンとこ来い
俺もないけど心配するな♪
経済か自粛か、自粛と補償の関係、いろいろ言われていますが、私はその前にもっと我々が考えなければならないことがあると思っています。そもそも「経済苦が自死につながる」ような世の中こそ、どこか間違っているのではないかと思うのです。
今の世の中、自己責任論が浸透し、多くの人が孤独になっています。自ら壁を作り、孤独になる。ばかばかしいようですが、私自身もその一人になっているのを感じる時があります。
自衛しなければ生きてはいけない。誰も助けてくれない、いや、それ以上に孤独が怖い。ひとりぼっちになるのが怖い。それができない時、自分は役立たずだ思う。虚しくなる。
経済苦による一人ぼっちを突き付けらるのが怖い。
それから逃れるために、一人ぼっちに備えて働く。
そして不運にも落ちてしまう人を見て恐怖しながら、どこかで比べて自分は頑張っているんだ、あいつは努力が足りなかったんだと、自尊心を満足させる。落ちてしまった人はとことん自分を責める。孤独故に責める…。しかし、センシティブな人ほど、そんなことのために働く働き方にこそ、疑問を感じるでしょう。だからと言ってどうすればいいのかはわからない。
声を上げるとたちまち消されかねない。
もちろん、自己責が不要と言っているわけではありません。しかし、それはそれぞれの事情が考慮され、努力がきちんと認められ、本物や優れたものが公平に認められる社会、誰でも運・不運に関わらず何度でも這い上がルことができる社会があって初めて言えることだと思います。
実は90年代から、このままではこんな世の中が来るのではないかと、私は兄とよく話し、恐れていたのですが、現実になってしまいつつあると思います。「そんな世の中を変えたい変えたい!」そう思いながらも、私の力はあまりにもちっぽけで、無力感を感じていました。そこへ私は悪性リンパ腫を患い、一瞬この世から逃れられると思ったのです。
しかし、皆さんのおかげで生還できたと同時に「なんで生き残ってしまったんだ」とも思ったのでした。
退院してしばらくは生きている喜び、自由の喜びを謳歌しましたが、またぞろ、入院以前に増して、生きる不安、自分の不甲斐なさ、新自由主義的世の中への無力感に苛まれ、いつしか絶望をも感じてるようになりました。
話は少し変わりますが、私のボイストレーニングはご存知の通り、普通のそれとは違います(笑)昔は、ただ高い声の出し方、上手く聞こえる方法など、売らんかなのことをやっていたこともあります。もちろんその時は、それまでの欠点の指摘が基本でやり方をきちんと教えない声楽・ボイトレ業界への反発(若気の至り)もあり、それはそれで真剣だったのですが…。
そんなことではいけない、こんな仕事になんの意味があるのだろうかと気づき始めていた10数年前、夢で誰か知らない人に「お前は、お前自身とその家族、生徒、友人と、そこからつながる無限のつながりのために、その全ての価値観を越えるためにボイストレーナーをやっているのだ」と言われたのです。
無宗教の私は、それをお告げだのなんだのというつもりはありませんが、その時私は、確かにこの仕事に誇りを持つことができたのです。
しかし、前述の通り、入院前後は、迷走していました。
そんな中できっと良くないレッスンもあったでしょう。或いは、生徒さんを裏切ってしまったこともあったかもしれません。それでも私についてきてくれた、というより、きっと「もう少し浜渦を生かしてもいいんじゃねえか?」という生徒さんたちに支えられて、今一度、わたしはなぜボイストレーナーをやっているのかということに立ち返ることにしたのです。
自分を見つめ直すことはここのところ少し避けていたことです。しかし、時間を取って自分の価値観や役割や思いをノートにとるうちに、色々なことが明確になってきました。
夢は世界平和
私の夢は…憚らずに言わせていただきますと、世界平和です。人々があらゆる価値観を超えて、人間の根源的な喜びである感動、見せかけではない本物を共有しあうことでそれは可能になる…たとえ何千年かかっても…。それが人間が進化していく、人類が生き残っていく、人がどこからきてどこへ向かっていくのかという本質ではないかと思うのです。
そのために私ボイストレーナーとしてできることは、感動を生み、共有する仲間、表現者を増やすことだと思うのです。だから私は生徒さんが右翼だろうが左翼だろうが、どんな宗教観を持とうが良いのです。いや当たり前ですが…。
(でも、この当たり前は、どんな奴が相手でも売れればいいんだ、というものではないことだけはお断りさせてください。)
お互いを認め合えるような表現ができれば、その夢にほんの少しでも近づくのではないか…。
そのためにはまず、自分を知り、自分の体という内なるものを客観的に見ることができ、社会という外側を客観的に見ることができ、それらを合わせた世界を客観的に見ることが必要である。そしてそこに体の使い方や表現の本質があり、自由な表現が生まれるのだと。声はその先にあり、そこに楽曲や台本が融合してより多くの人と共有できるのだと。
そんな「オマエの理想に巻き込まれてたまるか」と言われたら返す言葉もありませんが…その代わり、誰よりも楽しく、わかりやすく、身につく、うわべでない表現力が身につくようなレッスン提供していきたいと思っています。
そこで手を打ってくだされば幸いです^^;
もしかすると、極端な話、日本国民全員が超のつく貧乏になっても、みんなが明るく、乗り越えていこうという気持ちがあれば、補償はいらないのかもしれません。いや、そんな世の中ならきっと適切な補償や未来のあり方が見つかるはずです。そんな世の中を、一緒に目指してもええな…と思っていただけるように、私もできることをやっていきます…
いい歳して、見果てぬ夢を追い続けていますが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。