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声の実感って「出す実感がないのに出ていること」!?〜声は“出す”ものじゃなく“現れる”もの〜

上達のアドバイス

「声が出てる感覚がないのに、自然に出ている」
これが実は、本当の“声の実感”です。

どういうことかというと、

  • 声が息の邪魔をしていない
  • つまり、ちゃんと「吐けている」
  • 体の内側の筋肉は自由に動いていて
  • 外側は「緩みつつ開いている」

この逆算の流れで成り立っているとき、私たちは自然に声を出しています。
このとき、呼吸法や発声法の“基礎”はすでに体得されているのです。


「声を出している感覚」が邪魔をする?

ところが、多くの人が誤って覚えてしまうのがこの部分。

「声を出している感じ」があると、それが実感だと思ってしまう。

でもその「実感」って、実は

  • 息の流れを止めたり
  • 体を固めたり
  • 声を押し出したり

といった、“邪魔している感覚”なんです。

その邪魔による苦しさの中で、音程や音量を無理に出そうとする。
だからこそ「苦しんで出した」という感覚が「練習した」「がんばった」と思われやすいんですね。


声と”自転車に乗る”バランス感覚の共通点

これは、自転車に乗ることと、とても似ています。

自転車に乗っているときって、
「乗れている!」って実感はそんなにないんです。
でも、ちゃんと転ばずに進んでいる。

直線でハンドル操作しているつもりはなくても、
身体が無意識にバランスを取ってハンドルを微調整している。
それが「本当のコントロール」

自転車は何よりバランス、そして蹴り出す勇気と、ほんの少しの自動的ハンドル操作。
歌も演技もまずバランス、そして息を吐く勇気、声は勝手に出てくる、その中で滑舌も発声や「間の作り方」も覚えるのです。

平均台や綱渡りも同じです。
外側の筋肉が固まると、バランスは一気に崩れておっこちてしまいます。
声は実際怪我をするわけではないので、舞台からおっこちていることになかなか気づかないのです。

自転車に乗れない人って、
体が縮こまって、腕や肩がガチガチになっていませんか?
それがまさに「声が出ない理由」ともリンクしているんです。


「できない理由」は技術以前にある

なぜできないのか?

  • 怖いから
  • 早く結果を出したいから
  • 頭で理解して何とかしようとするから

自転車も、どんなに頭で乗り方を理屈を理解しても乗れません。
でも、一度乗れたら、もう“わかる”
それは、体が“わかった”からです。


声は「自分自身に乗る」こと

声が難しいのは、
自転車ではなく「自分自身に乗る」ようなものだから。
目に見えず、他の楽器のように外から聞こえないので掴むのが難しいのです。

自分を客観的に見る努力が必要なのです。

自転車を自由に操れると嬉しいですが、
自分自身を自由に操れると、もっと嬉しい

だからこそ、
「腹式呼吸」などの呼吸法や「響きの場所(鼻腔共鳴など)」だけを学んでも、
本質的には自由になれないんです。

乗れていない人に「背中から出せ」「鼻に響かせろ」と言っても通じないのはなんとなくおわかりでしょう。
それは、「乗れるようになってから」の話ですものね。

”できている”のに実感のなさに戸惑う生徒さんの話

ちなみに、ちょっとした笑い話ですが――

長く苦しそうに声を出していた生徒さんが、ある日ふと力が抜けて、自然に声が出たとき。
私が「今の声、完璧です!」と喜んでも、本人はどこか不満げ。

「え? 今の…全然出した気がしないんですけど……」

これ、実はかなりよくある反応なんです(笑)。

それまで「声を出すには頑張って力むもの」だと思い込んでいた人ほど、
“自然に出てしまった声”に対して「これで合ってるの?」と不安になってしまう。

でもそれこそが、声に“乗れた”サインなのです。


だから私は「乗れるようになる」ことを教えています

私がレッスンで最初に伝えるのは、
この「乗れるようになる」ための感覚

実はそれこそが、一番難しくて、一番大切な基礎なんです。

そして乗れたあとは?

テクニックもいろいろお伝えしますが、
乗れたあとは、どう歌いど動こうが、生徒さんの自由です!

なぜならもうあなたは何ができてできないか、自分が見えてわかっていますから。

私がこういうレッスンをお届けすべく研究を重ねたのは、私自身、そこを教えてくれる人がいくて一人で苦労に苦労を重ねていたからなんですよ。


まとめ

声を出すというのは、「力を入れて何かを出すこと」ではなく、

息の流れに自然に声が乗っている状態

そのとき、外側はリラックスし、内側は自由に反応しています。

つまり、「声を出す実感がないのに出ている」ことが、本来の“声の実感”

実感がないからこそ不安になることもあるけれど、
実はそれが「乗れている」証拠。

まずはその“バランス”を身体でつかむことから始めてみましょう。

外側のリラックスがその第一歩ですが、それは目の使い方が最も有効ですが、この話はまた次回に。言えることは、生徒さんをリラックスさせても絶対に萎縮させてはならないということです。

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