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表現とは何かを知らないと正しい呼吸法・発声法を習っても上手くならない理由【その1】

レッスン中の浜渦弘志 上達のアドバイス

本当に伝わる表現で歌う人、演じる人はやはりミックスボイスや共鳴や腹式呼吸ができているし、発声法も身についている。ならば「正しい呼吸法や発声法が身につけば私も伝わるすばらしい表現ができる、そういう本当の上手い人になれる…はず…!?」それはNOです!これが決定的な落とし穴なのです。練習が嘘をつかないためにお送りします。

正しい発声・呼吸法を学んでも表現は身につかない

この失敗は、私自身も、先人たちも身をもって証明して来たのですが、まだまだ多くの人は、声の出し方、呼吸の仕方を正しくすれば、上手くなれると信じてしまっています。いえ、誤解を恐れずに言えば、正しいとされるものを集めれば上手いフリはできるようになります。中には本当に上手くなってしまう人もいますが、それは正しい方法を学んだから…ではなく、自分でもっと大切な表現とは何かに気づいてしまったか、もともと表現とは何かを知っていた人です。

しかし、正しい発声法や呼吸法が身につけば伝わる表現、自分の個性を生かした歌が歌えると思ったらそれ違うと断言できます。

もしみなさんが、今までのボイトレでは上手くいかなかった、正しい方法を意識しているのに、声が全く自由にならない、カラオケの点数が少々上がってもなんだか表現者としての輝きを感じられない、なにより多くの人と感動や思いを分かち合えるような表現者という歌手や役者や声優になりたい、人生を変える表現を手に入れたいと思うなら、今回の記事は助けとなることと思います。偉そうに好き勝手書きますが、それも想い故のこと…どうぞご容赦ください。

正解は【表現が何かがわかると正しい呼吸法・発声法を嫌でもしてしまう】

 

HIRO
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たとえば、本当に上手い人は腹式呼吸をしてしまうが腹式呼吸をしても上手くはならないというロジックに気づこう

「…そんなの才能がある人の話でしょう?」「私は才能がないから正しい方法を覚えないと…」と考えがちですが、それは覚えたらOKという日本のテストや個性より周りに合わせるという文化に毒された大人の考え方です。

表現のある歌を歌う人は、腹式呼吸をしてしまう…嫌でもしてしまう、するつもりがなくてもしてしまう。気づいた時にはしてしまっている。では腹式呼吸を練習したら表現ができるようになるか?歌は上手くなるか?…といえばNOです。
なんだか昔やった必要条件と十分条件…でしたでしょうか、そんな言葉を思い出します。

他の例を挙げましょう。よく呼吸を止めるなとか、息を流せと言いますが、表現が成立している人は、息が流れているが(実際は息の通り道が開いている、そこに息を流すか流さないかも自由な状態)、表現が何かを掴んでいないと、息を流そうとしても息は流れないし、通り道が開くわけでもない。

ここに旧態依然の声や演劇のレッスンの問題点が集約されています。

ボイトレや声楽レッスンで一番大切なのは表現とは何かを具体的に教えること

ボイトレと言えば、発声や歌い回し、呼吸法というイメージがついていますが、本当に大切なのは、表現とは何かを知り伝えることです。それをわかりやすく伝えてこそレッスンです。

これまでのレッスンの最大の問題点とは?

昨今のレッスンは多くは、非常に論理的になりました。「ミックスボイスで高い声を」「正しい呼吸が身につけば歌が上手くなる」…などと魅力的な言葉が並んでいます。しかし、肝心なことがすっぽり抜け落ちています。

多くのレッスンでは『表現とは何か』を教える方が理解し、実践し、咀嚼し、あらゆる手を尽くして説明することをしていない。
ズバリ言いますと、表現が何かを知り追い求める過程で腹式呼吸やミックスボイスは自動的に身につくものです。このことをキチンと説明してくれる(することができる)指導者は、現状ごく僅かなのです
その結果以下のようないかにも本末転倒なことが起こります。
表現が何かを知り、掴んだ人が、表現を成立させるために必要から自然に無意識に自動的に、その表現にふさわしいバランスでやってしまう呼吸や息の圧力や声帯の融合を、バランスも何も考えずにただ断片的にやれば表現ができるかのように教え、意識してやらそうとしてしまい、教わる方も正しい方法さえやれば上手くなると勘違いするのです。
これは私自身、本当に気をつけないといけないことです。表現とは何かを知らないと必ずここに陥ります。さらに正しいだけではダメな理由を説明します。

正しいとされる発声法や呼吸法を実践しても一生上手くならない理由

世に溢れる発声法や呼吸法というのは本来、表現が成立した人がやっていることの構成パーツを断片的に取り出したもの。決して発声法や呼吸法ができるから上手いのではなく、表現を成立させるために発声法や呼吸法がバランスが良くなるだけです。それを正しいと言っているだけである。

しかしこのことを知らないために、もう恐ろしいくらい勘違いが起こるのです。

学ぶ方はまず、体が表現できる状態になる(体の楽器化)というまず最初にやならければならないことをせず、さらにその体にリズムを作るとか圧力を作るという表現の基礎を知らずに、ただ腹式呼吸や共鳴などという答えだけを覚えようとしてしまうのです。

これでは、何の楽器を演奏するかわかっていないのに、演奏法だけ考えるような、本当に矛盾した行為なのです。

「歌が上手いというのは=表現が成立している」であって、決して上手く歌おうとすることではないのですが、たとえばお腹に手を当てて「ハッハッハッ!」とか、鼻をつまんで「共鳴〜!!」とかいう練習をさせてしまうと、一生上達しない可能性大なわけです。しかし表現を知っている人がやる「ハッハッハッ!」という練習には意味があります。いえ、表現とは何かを知ればどんな練習も意味があります。

HIRO
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同じ練習でも表現とは何かが身についているかどうかで天と地ほどの差ができます。知らないと練習はむしろ嘘をつくことも多いのです。

表現とは何を教えられなくても上手くなる人も確かにいます。しかしそれは自分で気づいた勘の良いひとというだけです。決して教えた人間のてがらではありません。

うわべの論理なら雲を掴むような話の方がマシ!?

このことをわかっている人も多いのですが、今度は「もっと気持ちを溢れさせて!」とか「宇宙と繋がれ」とか…つまり対極へ行ってしまう。

どちらかといえば、机上の腹式呼吸なんかやらせるよりはずっと良いのですが、大抵のひとは雲を掴むような話としか思わないでしょう。気持ちを込めろと言われても、それは表現が何かをわかって初めてできることで、たまたま最初から掴んでしまっているひとでもなければ、嬉しそうなフリや悲しそうなフリをするだけになります。

参考動画

●話すように歌う…ボイトレ・歌唱力・話すこと…声の表現の基礎の全てがこの動画

【次回予告】表現とは何か?

これは文章でも動画でもなかなか書きにくいことなのですが、頑張って書いてみますね。ポイントは体の楽器化、そこへかける圧力、圧力によりリズム…それによる多くの人との空気の共有です。

私が皆さんにお伝えしているのは、表現とは何かです。それさえできれば絶対、誰だって上手くなるし、自動的にミックスや腹式の正体まで生徒さんの方でわかってくれるんですよ♪

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