「歌のリズム感が悪い」そう言われたことのある人は多いと思います。楽譜通りに歌っているはずなのにそう言われてしまう人も。そのような人を見ると大抵、歌の中に潜む3つのリズムを感じていないことがわかります。これがわかっていないと、どんなにがんばって練習をしても全然上手くならなかったり、腹式呼吸や正しい発声を学んでも、実際の歌やセリフに活かせないのです…つまり練習が嘘をつく。これは大問題ですよね。。
2つ、または1つは感じていても、3つ全部を感じていなかったり、3つのタイミングが「セーノ!」同時になってしまって破綻してしまったり…。さて、3つのリズムとはなんでしょう。これができればどうなるか、できなければどうなのかを解説していきたいと思います。
ついでに「いつも怒られて心で泣いている人への対策(先生を怒らせない方法)」なども織り込んでおきますので、目次をご覧になり、ご興味のありそうなところだけでもお読みみただければ幸いす。
ちなみに私はレッスンでは絶対怒りません(笑)怒らないのはなぜかも書いておきますね。
人は話し方が何割…などと言いますが、言葉選びや明るさや、単なる声の良さよりもっと大切なものが、きっとここにあります。
リズミカルに歌うとは?
さて、多くの人にとって「リズム感」とは、あと打ちができるとか、シンコペーションや、三連符がきちんととれるなど、つまりは楽譜に書ける形としてのリズムを間違えずにきちんとした速さ再現できること指しているのではないでしょうか。しかしそれはリズム感が良いというより、リズムの形を知っている、慣れている状態でしかありません。
では楽譜上(記譜上)の難しいリズムは取れないとしても、誰でも歌えるような簡単なリズムの曲なら、誰でもリズミカルに歌えているかというと…自信がない方も多いのではないでしょうか。楽譜の記譜上のリズムのを取れることと、歌のうまさ感動、伝達力や曲に彩りを与える意味でのリズム感とは別のものなのです。
本当のリズム感とは、楽譜を打ち込みのように再現できるできることではなく、リズミカルに歌えているかのことを指す…私はそのように思っています。
ただノリノリであるとか、体を揺らしたり表情をつけたりということでなんとかなるようなものでもありません。何か面白くしようとして、ちょっと崩したつもりが本当に崩れてしまう人も多いのです。リズミカルに歌うための要素、それが3つのリズム感を掴むこと。そのヒントをお伝えしたいと思います。
歌における(歌以外でも基本は同じ)リズム感とは、その曲や自分の気持ちをあらわす意味で、また自分の声を生かすためのリズム感であり、簡単に言えばリズミカルであるかどうかです。
と言いますと余計に「なんのこっちゃ?」と思われるかもしれませんね。なので今日ははまず、3種類のリズムとは何かを知っていただければOKというものをご紹介しておきますね。
歌を輝かせる3つのリズム
歌の中には、感じなければならない、いやできれば感じていただきたいリズムが、大きく分けて3つあります。はっきり言いまして、この3つを操ることができれば、共鳴がどうの、腹式呼吸がどうの、ミックスボイスがどうのなど言わなくなっていると思いますよ♪
そもそも呼吸法も発声法も、このリズムを操ることで生成されていくのですから…
この3つのリズムとは以下のものです。
- 曲の基本のテンポ
- 息を圧縮するタイミング
- 圧縮した呼吸が次の声への伝達するにふさわしいタイミング
この3つです。すでにお気付きの方もおられると思いますが、絶対に3つ同時にはできません。まずはそれぞれのリズムについて解説していきますね。
1.基本のテンポ
まず、1つ目のリズムは基本のテンポです。基本のテンポとは、インテンポに近いものと考えても良いでしょう。「インテンポで歌う」とは、楽譜通り、正確に拍子を刻みながら歌うということです。楽譜に最初に♩=60と書かれていたら、1分間に4分音符を60回刻む速さということになります。さらにここでは、楽譜通り、音符を正確な長さで歌うことと考えてみてください。これは学校教育やカラオケの点数では大切なことですが、これが本当の意味で表現者となるにはおおきな落とし穴となります…
基本のテンポも、楽譜上の指示や、アンサンブルのやりとり中でだんだん早くなったり、遅くなったりということはあります。
このテンポに強弱や動きをつけることがリズムですから、そう考えると、テンポをリズムを構成する要素の一つとして数えるのはナンセンスかもしれませんが、とりあえず便宜上テンポの一つとして覚えておいてください。
2.息を圧縮するタイミングとは(=本当の意味の気持ちを込める行為)
それでは2つ目のリズムとは何かと言いますと、息を圧縮するタイミングです。これは=気持ちを込めるを頭の中ではなく、実際体を使って実現することと考えていただいても構いません。圧縮とはパンパンのボールを上下からサンドイッチするような状態です。
よく気持ちを込めろ!と言われて頭の中だけでやろうとして失敗する人がいます。悲しかったことを思い浮かべたり、楽しいことを考えたり…しかしそれで体が息を圧縮する方向に動いてくれなければそれはただ思っているだけで、当然伝わりません。
息の圧縮で先生や演出家を圧倒して怒らせない!?
レッスンで怒鳴られて萎縮したり、パニックになっている状態ではこの圧縮は難しいでしょう。だから私はレッスンでは絶対怒らないのです。では怒る先生、すぐ貶してやる気を無くさせるような演出家などに当たった場合どうすれば良いのでしょうか(笑)
これ本当なんですよ。むしろ、この息の圧縮ができていないことを悟られると…ターゲットにされてしまいますよ。本人は気持ちを込めているつもりなのに、全然伝わらない…これは本当によくあることなのです。本人は一生懸命なのに、先生に「気持ちが足らん!!」なんてどやされたらやる気も失せてしまいますよね。
なぜ怒らせないようにできるのか?それは…
これ、精神論ではないんです。人間は、それを感じることのできる動物です。「圧が強い人」っているじゃないですか?その人のなるんです。もちろん、良い意味で!この圧ができればその場の空気を支配できる。その場でいちばんの重要人物は役者であり、歌い手です。特に声楽レッスンなんか、なんで高いレッスン料金を支払って萎縮して泣かなきゃならないんですか…そんなのはもうやめだ!
私が怒らない理由もお分かりですよね。萎縮したらおしまいだから。それだけではななく、萎縮させない方法を教えるのが私の役目だし、もし怒鳴って怒ってそれで上手くなっても、それじゃカミナリオヤジならだれでも良いってことになるじゃないですか。
喉を詰めて締める!でも壊れずに声が出やすくなる!?
さて、息の圧縮は歌の基本中の基本です。いえ、基本以前の基礎です。これをやるために歌う、練習する、私がレッスンをしていると言っても過言ではありません。今回はこのやり方をお伝えするのが趣旨ではないので、具体的な方法はレッスンでお伝えしますね。(これは言葉や動画で伝えるのは私でもむずかしいのです…。)
いや、でも少しだけ解説しておきますね。息の圧縮は、簡単に言えば…
…と思っていただければ良いでしょう。このために下からの圧力を作るのが腹式呼吸ですね。よく腹式呼吸ができれば強い息ができる、歌が上手くなると勘違いしてしまいます。そうではなく、強い息を作るとはなんなのか、どうすれば強くなるか、その準備とは何かを知って実践することで、つまり体が楽器化して、その扱いがわかって初めて腹式呼吸の必要性がわかるのです。
さて、たとえ下からの息を押すことがができても、そんほ力に耐えるための上から蓋(ふた)をする力がなければ、圧力はうまれませんよね。つまり…
なぜなら蓋がなければ、腹式呼吸をやればやるほど、呼吸が喉を素通りしてしまうからです。例えていうなら、上に大きな穴が空いたビーチボールを下から押してやるようなもの。もちろんペシャンコになりますよね。
私たちの体でいうと、ビーチボールに相当するのが胸。蓋がないと、胸はあっという間にしぼみ、息が続かなくなるという、むしろ腹式呼吸が逆効果になりかねないのです。この蓋をする力が、喉を詰めて締める力なのです。
え?「喉は詰めちゃいけない?」「締めちゃいけない?」「オマエは本当にボイストレーナーか!?」ですって?これなんですよ。もちろん、詰め方締め方を間違えると喉は痛くなったり、壊れてしまいます。それを恐れて、力自体を入れなくなり、ヘロヘロになってしまう人が多いんです。
壊れないようにするには、肺を広げて体幹で上へ持ち上げ喉と密着させる必要があります。そうすると詰めて締めても壊れないんです。手をパン!叩くと手は痛いですよね。でもくっつけてから押し合うと…痛くないですよね…。一般的にタブーとされる言葉って使いにくいですよね。でも私は使います。
だって、喉を詰めて締める力と、息を押し上げる力で息の圧力を作るのは事実ですから。この時体が楽器化していないと喉を痛めてしまい、一方、楽器化できていれば、スパーン!!と声が奥の方からずっとずっと遠くへ気持ちを乗せて届くんです。
これが声が抜ける、つまり本当の鼻腔共鳴や頭声(ヘッドボイス)のエネルギー源となるのです。
しかし確かに誤解を招く言い方ではあります。だって詰めて・締めて・押し上げるって絶対ダメな気がしますよね。そのせいか多くの声楽レッスンでは「息の支えをしっかりして、喉を下げて、息を集める」などと、わかったようなわからないような持って回った言い方をしてしまうのです。私は全く意味がわかりませんでした…。
…おっと話がそれました。腹式呼吸の必要性がわかっているということは、どういう状態の体で、何をどの順序で行えば息の圧縮ができるかが、自分の体で理解できている状態です。声は机上の論理だけでは自由には扱えないのです。それはスポーツも一緒ですよね。理論だけでホームランは打てませんよね。体で実証してこそのスポーツであり、芸術であり、表現なのです。
さて、その必要性がわからずに腹式呼吸を一生懸命やるとどうなると思いますか?どうにもなりません…。練習してもしなくても何も変わりません。やらないよりは…程度です。これが何年やっても上手くならない人と、すぐに上手くなる人の大きな差となります。
息の圧縮は誰でもできる!やったこともあるはず?
この息の圧縮って、本当は誰でもできるんです。やり方を知らないだけなんです。呼吸の表現の世界には、知らなければできない、でも教えることが難しいため、ほとんど教える人がいない部分がたくさんあります。だから私はボイストレーナー専業になろうと思いました。
鼻腔共鳴や、チェンジボイスや腹式呼吸がどうのという知識やフォールやしゃくりなどのテクニックや、なんとなく出てるだけの高い声を教えるのは難しくはありません。しかし、その知識やテクニックや高い声が表現の呼吸の結果として生まれなければ、私はむしろ罪なことを教えているような気がするのです。さて、息の圧縮ですね。
直後というのは、次の音であったり、未だしている音の後半であったり、ということです。つまり、一音の間ずっと同じ圧縮で歌うことはまずないのです。まっすぐ全く揺れずにレガートに歌うためにこそ、この呼吸圧の意識的な変化が必要です。
息の圧縮の変化ができないと高い声も低い声も歌も破綻する
さて、息の圧縮を変化させられないと、どういうデメリットがあるのでしょうか。
簡単に言いますと、歌はガタガタになってしまいます。高い声は押し上げたように、低い声は落っこちたような音色になり、本人は滑らかに歌っているつもりでも、録音して聞いていると、仮に音がつながっていたとしても、滑らかさはまるでないということになります。
呼吸圧で音を鳴らす菅楽器で、高さが変わっているのに、呼吸圧を変えない楽器はまずないでしょう。リコーダーでも高い音と低い音で同じ息の圧力では吹けませんよね。ですが、声を使う私達は、意外とこのことができないのです。起こりやすいの以下のような症状です。
- 高い声では、息を吐く力は増やしても、止める力(=蓋をする力)が足りないために喉を押し上げ無理をさせてしまい、痛くなったり、すぐ疲れる。
- 低い声では、蓋をする力が勝手しまい、押さえつけたような、うめき声のような声になる
- 1と2を繰り返すと、喉を押し上げたり押し下げたりで歌は破綻し、歌っていても面白くなくなる
逆に言えば、どれくらい圧縮すれば、どのくらいの高い声が出るかもわかるようになります。これがわからないと、一生高い声が出ないか、たとえ出たとしても、気持ちのこもっていないただ出ているだけの高い声となりかねません。
3.息の声への伝達
長くなりましたが、やっと3つ目です。2で作った圧縮された呼吸をなるべくその圧縮を失わずに、また多少圧縮を増減してコントロールしつつ、声帯の振動、つまり発声へつなげる行為です。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、息の圧縮とその呼吸の声への伝達は、絶対同時にはできません。なるべく早くつなげることはできても、圧縮→声の順序がある以上、同時は不可能ですよね。…ということは…
のどを詰めて締める、そして腹圧で押し上げる…きっと何度書いても「何言ってんだこのボイストレーナーは?」と思う方がいらっしゃるでしょうね^^;
さらに気持ちの乗った意味のあるウイスパーボイスやミックスボイスと言われているものも、この圧縮と伝達が必要です。圧縮したまま、喉の位置を変えずにほんの少し喉の締め具合を緩めると…自然に声に息が混ざりますよ♪つまりちゃんと体の奥から聞こえてくる囁き声も作れるのです。
これができると、バラードで囁いてマイクに声が入ってくれるし、舞台で内緒話をヒソヒソ話しても、小さい声なのにちゃんと聞こえるようになるんです。
お客さんはそれだけ美しい息の圧力を求めているのです。
圧縮を無視して音符・伴奏・カラオケからズレずに歌うと多くのものを失う
遅れずに「楽譜通りに何が何でも歌いたい」「ずれるとカラオケの点数が下がってしまう」からと言って、楽譜の音符にふさわしい圧縮(前項で述べたように、これが次の音の発声・呼吸・気持ちの準備です)と伝達ができないまま声を出すと…
- 気持ちが頭の中にはあっても込められず
- 楽譜通りではあっても発声は苦しく
- レガート(滑らかに)に歌っているつもりでも、呼吸の準備ができていないためにブツブツ切れて聞こえてしまう
- なにより、どんなに正しい呼吸法や発声法を学び、知り、実践しているつもりでも、役に立たないため、一生上達の足を引っ張りかねない
どんなに素晴らしいものでも、使うタイミングが悪ければ、用意できる前に使ってしまってはまともに成果を上げられないのは歌に限った話ではなく、当然のことなのです。
圧縮と伝達ができないと練習が嘘をつく、やる気を失う
正しいことをやっているつもりでも、それらを使う順序・タイミング・バランスを知らなければ練習は嘘をつきます。
3つのリズムとタイミングを感じられないために、歌が嫌いになってしまう人や、怒られてばっかりで歌うことが怖くなってしまう人を大勢見てきました。本人は一生懸命やっているのに「気持ちが足りない」「練習が足りない」と怒られてはやる気もいつしか失せてしまいます。
…我ながら今日は厳しいこと書いてますね。でも、私自身がここで何年も足踏みをしてしまったので書いているのです。そして、この3つのタイミングを使いこなすことは、本当に上手い人や第一線で活躍されている方は俳優でも声優でもナレーションでも民謡や演歌でも当然できているのに、そのことを具体的にレッスンで教えられることはまずありませんでした。
ボイストレーニングや声楽、演劇でもナレーションでも、正しい方法を学んだくらいで、自由に表現できるほど単純なものではないのです。でも、本当はそんなに難しくもない。知れば誰でもできるという面白いものでもあります。
学校教育や声のレッスン・カラオケの弊害
学校教育では、この3つが「せーの!」になりがちです。つまり気持ちを込めようと息を圧縮する間もなく、息を伝達する間もなく、1の基本のテンポや楽譜通り歌うことに縛られ、自由な表現や音色よりも、キレイかどうか、楽譜通りかどうか、無理やりでも明るい表情かどうかや、音程がとにかく合ってることが評価基準になってしまうからです。
圧縮と伝達で気持ちを表現をするはずが、その二つができていないのに、気持ちを込めるなんて本当はできないはずなのですが…。
…カラオケの採点もしかり、ですね。
こんな状態で腹式呼吸の鼻腔共鳴もあったもんではありません。
こうして生徒さんもテンポと音程ばかりに気を取られ、音楽で気持ちを生み伝えることを知らず知らずのうちに捨ててしまうのです。つまり個性と気持ちが表れる息の圧縮→伝達を捨ててしまうのです。これは自分の個性や想いを封印してしまう行為になってしまいます。
もちろん、どんな教育を受けても、自分の音楽を捨てずに自由に表現し続けることができる子供たちも大勢いますが、それは教育の成果ではなく、子供達がただ偉かっただけですよね。学校の音楽教育は自由に表現する手助けであって欲しいのです。
そうでなければ、歌が苦手な子や自分が下手だと思っている子は、才能や実力を出せないまま、下手さを誤魔化すような歌、照れ隠しのような表現、上手い振りといった、本物や個性からはどんどん離れた声の表現になってしまうでしょう。
これでは本末転倒ですよね。「取り戻そうぜ。自分を」ですね♪
呼吸の圧縮=気持ちを込めるという具体的な行為
声への伝達=気持ちを呼吸で喉へ伝え、喉から自分の外へ出す行為…すなわち声の表現。
3つのリズムを使いこなせば新しい歌の世界が待っている
ここまでお話ししてきましたように、3つのタイミングを自然かつ自由に操れることこそリズム感であり、ここから音色は豊かに、音程にも自然な膨らみが生まれるのです。
ここでもう一度おさらいです。
- 曲の基本のテンポ
- 息を圧縮するタイミング
- 圧縮した呼吸が次の声への伝達するにふさわしいタイミング
もっともっと複雑に言いますと、息を吸うリズムや体を緩めるリズムもありますが、それらも、この3つがあれば自然に出来上がっていきます。
この3つのタイミングをあえて少しずらしたり、動かすことで様々な表現ができるようになるのです。
3つのリズムの組み合わせるとこんなにたくさんのことができる
たとえば、2.(圧縮)を次の音が出てくるぎりぎり直前、または次の後に入ったあたりで瞬間的に行うことで、ピックアップの鋭い声の表現になります。あえて、圧縮を遅らせ、声への伝達も、ギリギリ許されるだろうくらい遅らせることで、最大限のたっぷりとしてフレーズ感を表現することもできます。
以上のことから、基本的には以下のことが言えます。
先に述べましたように、慣れてくると、どのくらいの圧縮を作れば、どのくらいの高い音程や音量を作るのかを感覚的につかめるようになってくるので色々なパターンが作り出せます。例を挙げますと…
- 圧縮を早めて声への伝達も早める→スピード感が増す
- 圧縮を早めるが、声への伝達はできる限り遅らせる→「間(ま)」や「溜め」を作る
- 圧縮を遅らせるが、声への伝達を急ぐ→何か「ハッ!」と気づいたように聞こえる
- 圧縮を遅らせ、声への伝達も遅らせる→ゆっくり歌いたいことを歌で伴奏者や識者に伝えることができる(逆も可)
- 例えば前奏のないピアノ伴奏付き歌でもピアニストに息の圧力→伝達で、自然に自分が歌いたいタイミングを顔を見なくても、声を出さなくても伝えられる。
- これらのタイミングを好きなタイミングで入れ替えることで、音楽を動かす
まだまだ無限大に組み合わせがあります。特に、伴奏者への自分の歌いたいスピードの伝達ですが、これを「もっとゆっくり弾いて下さい」などと口で言うのは…相手上手ければ上手いほど、実はちょっとカッコ悪いことなんです。なぜなら音楽やリズムで、たっぷり歌いたいことが伝えられないことを宣言しているようなものだからです。圧力と伝達のタイミングで伝えられるようにしましょう。
YouTube動画「高い声もズバッと出る」
この息の圧縮と伝達のタイミングや踏ん張りを実践解説しているのがこの動画です。第一線で活躍し続ける方がなぜ表現力があり、伝わる本物の高い声があるのかもお分かりいただけると思います。
才能は関係ない。誰にでもできる表現、それが芸術
人間はこれらのリズムの組み合わせで驚きや感動、悲しみや喜びを表すのです。それを歌やセリフの中、つまり楽譜通りと融合させていくのです。それこそ芸術なんだと思っています。そして芸術なんてべつに大したことのない、でもとてもすばらしく、そして誰にでもできることだと思うのです。
すごく難しそうでしょう?いやいや、これが誰でもできるんですよ。アマチュアでまっt食うたの経験がない人ほど簡単です。
ただし、常識的な練習・レッスンを長く続けてきた人は、今までの自分とお別れしなければなりませんから、その点キャリアの長い人ほど苦労はしがちです。
でもちょっと素直になって、一からやってみてください。その中で体の使い方、呼吸や発声を覚えるということに出会えます。
呼吸法や発声法、正しい発音や共鳴など、本来後から自然に覚えていくものを先に詰め込まれると、誰だって苦労してしまうのです。
しかし、繰り返しますが、いくら正しくてもそこに自由な表現を欠いては本末転倒だと思うのです。
才能?そんなものは関係ありません。すぐに才能の問題にしてしまう人にお聞きしたいのは「才能を出し切ったことがありますか?出す方法を知っていますか?」ということです。
嘆くのはその後で良いじゃないですか♪