歌は上手い人はずっと上手く、下手な人は何年習ってもうまくならないか、対処療法的なうまさしか身につかない。その大きな理由が。歌のやる気スイッチ。「やらねば」でも「上手くなりたいなあ」でもなく表現せずにはいられない呼吸。私が皆さんにお渡しするこのスイッチ(=ボイストレーナーの自負)について、徒然なるままに…ぞんざいな文章お許しください。
基礎=表現せずに入られない呼吸(やる気スイッチ)を作ること
表現せずにはいられない呼吸をつくる。
これが歌のやる気スイッチ。
スイッチの入れ方を学ぶのがボイトレの基礎。
その後の発声やら共鳴やらが基本。
その先が技術。
スイッチって簡単に言えば、胸にに空気を入れて飲み込む力で圧力を作ること。ビーチボールを膨らませて栓をして、外から押すような状態。
栓イコール飲み込む力(のどを「適切に」詰めること)、外から押すイコールものを持ち上げるときのような踏ん張り。
本当はそこまで難しくないけど、この部分、誰も教えないんだよ。
これはどんなスポーツにも出てくること。そう、歌はスポーツでもあるんだよ。
このあたりがごっちゃになっている人が多いと思う。発声や腹式呼吸を学ぶと歌は上手くなる…いや、それはやる気スイッチが入った人だけの話だ。そうでないとただ知識が増えるだけ。
学問化しちゃいけないんだよ。
やる気スイッチが難しいものを簡単にする
スイッチの入れ方が分かると、あとは簡単。これまでいかに呼吸法や発声技術に机上の論理で悩んでいたかがわかる。
スイッチを入れずに頭を使って暗中模索では人生1万年くらい必要かも?いや10万年あってもますます迷路に迷い込む。
これが簡単なことを難しくしてしまう人と、難しいことを簡単にやってしまう人の差。スイッチを入れるという難しいことをやると、難しいと思っていたものが簡単になるということだ。そしてこれは…才能なんか関係ない。
スイッチが入った歌、歌ったことあるかい?僕は本当にスイッチの存在をつかんだのは35歳超えてたよ。東京芸大でなにやってたんだろうね。
「環境のせいにする(=因果関係を明らかにする)」大切さ
「せずにはいられない呼吸」は先生や周りを恐れ萎縮したり、音楽が越えなければならない壁のようになっている人は作れない。目立つことを恐れる人や普通でありたい人も。僕もそうだった。そういう人は顔に「ワタシは今呼吸法を考えてます」って見えちゃって、伝わらないどころか、自分が何を伝えたかったかもわからなくなる。
そういう環境にいたんだから仕方ない。
「環境のせいにするな」というけど、因果関係を明らかにしないとズルズル行ってしまう…
先生より音楽に愛される努力を
スイッチの入れ方がわからない人は環境やおかれた立場を疑うことも大切なんだ。
先生や狭い音楽界隈に愛される必要はないよ。僕らは音楽に愛される努力で手一杯なんだから。
私生業は「やる気スイッチをお渡し」すること
僕はスイッチの入れ方、つまり呼吸法や発声法や自由な表現という難しく思っていたものが簡単になるスイッチををお金をいただいてお渡ししている。
結局お金かっていうとまあ、そうなんだけど。でも埃を、いや誇りをもっていやっている。なぜなら、いただくお金以上のものをお渡ししているという自負があるから。
生徒さんにスイッチを渡すには、こちらも当然一日中スイッチを入れておかなきゃならない。生徒さんと共にスイッチが入ると、もう僕はレッスンが楽しくて仕方がない。生徒さんのスイッチが入って次の瞬間別人のような歌を聞かせてくれるのが幸せで仕方がないんだ。みんな天才になれるんだよ。
だけどクタクタになる。腹が減る。だからお金をもらって贅沢はできないけど、食べさせてもらっているんだ。感謝しかない。
おまけ「スイッチが入っている浜渦」
どうしようもなく下手だと思う。だけど、歌っている時、何もいらない。そう、私は才能をあらかた出してもこの程度。でもいいのよ。自分の才能を出せることが幸せなんだから。人より下手かどうかんなてどうでも♪
大阪で生まれた女・チェスボード