すべての表現者のために「腹式呼吸とブレスコントロール本当の意味と意義」公開

声を「弦楽器」に例えて考えると「何から始めれば良いか」が見えてくる

ヴァイオリンを弾くひと 上達のアドバイス

ボイストレーナーの浜渦です。

人間という楽器は、中身が見えないために、また自分自身で作り上げなければならないために、どうしてもレッスンでは雲をつかむような話になりがちです。そして、そのために特に歌においては、習う最初につまづいて「二度と歌うもんか」とか「私は歌に向いていない」と挫折してしまう人も多いのです。また、変声期で苦労し、それを理解してもらえずに学校の音楽の時間で辛い目にあい、歌が嫌いになったという人も。

それは胸や横隔膜や声帯といった体のパーツの優先順位や、どこから鍛え、なんのトレーニング始めるべきか、またそれはなぜかをきちんと指導されてこなかったからだと私は考えています。特に日本人は、「体は大きくないが声帯は大きい」という人が特に高い声等に苦しんできました。声帯を使い切る身体や呼吸とは何かが教えられてこなかったのです。そのあたりの疑問や不満も解消していただければと思います。

それをわかりやすくするために今日は「弦楽器」例えて考えてみたいと思います。

声を弦楽器に例えると

声を発する私たち人間という身体を弦楽器に例えてみましょう。弦楽器のどのパーツが体のどの部分に当たるかを考えてみましょう。ここでは簡単に「弦」「弓」「楽器本体」の三つに考えてみます。

弓はギター等の場合使いませんのでその場合「手」と考えていただいても大丈夫です。以下のように考えてみてください。

弦=声帯、弓=呼吸、楽器本体=身体(とりわけ胸回りから喉、口などの気管)
弦をしっかり張って、楽器がブレないように、弓を滑らかに動かすことはとても大切です。また大切のが、それらパーツのバランスです(後ほど解説します)。
つまり、人間で言いますと、楽器本体に当たる身体がブレないようにして、弓に当たる呼吸を滑らかに意図した通りに一定に、または任意に動かし、その結果弦に当たる声帯がが鳴る、と言うことです。
さらに弦が鳴って身体が共鳴するわけです。
ここで大切なのが、身体が2回出てくるということ。
体はしっかり呼吸を吐くために身体をさせるためだけではなく、楽器自身が共鳴するためにもあるわけです。
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楽器は弓や弦などのパーツを支えるだけでなく、自身が鳴り響く役割を担っていること忘れないでください。

当然優先順位は決まってきますね♪

身体・呼吸・声(声帯)の優先順位とは

簡単いいえば・・・
身体(楽器本体)>呼吸>声
これが優先順位となります。
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__というより、これが作って行くべき順番であって、声は体と呼吸の結果に過ぎないのです。

声をよくするためにボイストレーニングってあると思っていたけど、声は結果に過ぎない…!?

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その通りです。ですから、ボイストレーニングという言い方が本当はちょっと違うのだと思います。

「声は結果に過ぎない」って、声はどうやって鍛えるの?

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声は、呼吸によって鍛えられていく、、、というより、吐く呼吸によって形を変えて行く別の生き物のようなものだと思ってください。

別の生き物!?

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はい。ですから、息が悪ければ声帯も悪くなり、痛めやすくなりますが、良い呼吸を吐くと、良い声帯に育ってくれるのです。

呼吸法の前に身体を楽器にしてしまおう!

さて、ではどこから始めばよいのでしょうか?

ここが他の楽器と身体を使う歌やセリフとちょっと違うところです。

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もちろん優先順位の通り、「身体」をきちんと楽器として成立させることから始めます。身体を作ってしまうと、呼吸は自動的によくなり、呼吸がよくなると、声帯も自動的に育っていくのです。

具体的にはどういうこと?

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弦楽器だってまず本体を作りますよね。形と材質を決めて、そして形を作っていく。材質は人間(笑)そうやってフォームを作るわけです。しかし、それは職人さんの仕事。楽器が決まることによって、おのずと弦の太さや長さ、どんな弓が良いかも決まってくるわけです。

人間も同じなんです。

よく呼吸法、とくに腹式呼吸から始めるっていうけれどそれは…???

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それが実は危険なところです!呼吸法は、弦楽器やピアノで言えば、奏法の基礎に当たるところです。しかし、私たちは自分が職人となって、楽器を自分という身体を加工して作らねばなりません。つまり、最初はまだ楽器がない状態なのです。そんな状態で奏法の研究ができるでしょうか?

なるほど。楽器をキチンとつくらないと、奏法、つまり呼吸法も決まらない、ということですね!

逆に言えば、体が決まれば、弦、じゃない声帯の張り方や弓…じゃない、呼吸の使い方も決まるということですね!

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その通り!楽器をつまり身体を彫刻のように美しいフォームに作り上げて、ブレなくしてしまえば、実は腹式呼吸が自動的に始まり、その呼吸が出来てくると、声は自然に鳴り始めるのですよ!!

…その楽器の名を表すヴァイオリン本体からつくるのは当然なのです。私たちは楽器本体にあたる身体を作らずに、いきなり呼吸法や共鳴と言ったものに目を奪われて本質を見失わないようにきをつけたいものです。

優先順位を守ればすべての声は「思わず出る」声に

身体を作れば呼吸法はほとんど自然に、自動的に腹式呼吸となります。それは身体が良く鳴る状態でブレさせずに呼吸する方法が腹式呼吸しかないためです。またその呼吸をブレさせずに出た声は「思わず出た声」となります。驚いた時、感動した時、笑った時思わず出る声、それこそが相手に自然に伝わる声なのです。

「思わず出た声=自然な声」「自然な声を紡いでいきながら歌詞やメロディーを乗せていく作業こそ歌」

身体・呼吸・声のバランスを「声帯」を中心に考える

各パーツそれぞれが良いもので、理論もしっかりしていても、例えば、ギターの弦にコントラバスの弓、本体はヴァイオリンでは大きさや太さのバランスがバラバラですよね。

先述の通り、楽器本体をきちんと決めて、そのあと、弓と弦が決まるわけですが、声においても、どんなに楽器、つまり身体がブレなくても、呼吸と声帯との大きさのバランスが大切になるのです。

この部分も、他の楽器はあらかじめ決めれれています。職人の方々があらかじめ作ってくれています。

しかし声の場合、決まっているのは「声帯」だけです。この声帯もある程度は加工可能ですが、人によって大きい小さい、長い短いなど、生れつきある程度決まっています。

ですからこの声帯を中心にバランスを取らねばなりません。

しかし、声帯は大きいのに、体は小さいということもよくあります。つまり、弦はコントラバスなのに、楽器はヴァイオリン。こうなると、バランスは悪い。バランスが悪ければ、どんなに腹式呼吸ができようと、高い声は鳴ってはくれませんし、ロングトーンも難しくなります。その結果、喉に負担をかけて無理やり出したり伸ばしたりするという悪循環に陥ってしまうのです。

これまでのボイトレレッスンでは、楽器が決まっていないのに、奏法、つまり呼吸法と発声法ばかりが重要視されてきました。

その結果、たまたま声帯小さくて鳴りやすい人などは良いのですが、声帯が大きく、普通の呼吸では鳴りにくい人や、声帯の大きさに対して体が小さい人は、簡単に挫折してきたわけです。

しかし私たちは、身体の方を弦に合わせるべくフォームを研究し、鍛えることで、このバランスを克服できるばかりか、その立派な声帯をコントロールできるようになると、それはとても感情の溢れた、素晴らしい歌声になり、高い声もより輝きを持ったものになるのです。

よって、体に対して声帯が大きい人はよく「大器晩成型」と言われたりします。しかし、この大器晩成型を育てるのが非常に難しい、というより、この国ではほとんど教えられる先生がいなかったというのが正直なところでしょう。

それをレッスンでは「練習が足りない」「感情が足りない」などと放置されてきたわけです。

楽器も決まらず、バランスも悪くでは、練習のしようもない…そんな人が自己責任にされて放置されてきた現場をたくさんん見てきました。

皆さんは、ぜひ身体を作るところから始めてみてください。どこまで鍛えれば良いのか?それは強い息で滑らかに思わず出る声がいつでも出せるところまで、ですよ♪

逆にコントロールしやすい声帯を持っている場合、スタートダッシュは決まりやすいです。習い始めや若いうちは有利といえるかもしれません。また、昨今、声帯と呼吸のバランスだけで、うまさを追求し、体は最小限しか使わないお手軽なボイトレが流行しています。これが実は危険なのです。

楽器をそんなに鍛えなくても、バランスだけで出てしまうために、あとから苦労した人に追いつかれ、追い越されたり、鍛えていない分、年齢に勝てなかったりします。そもそも技巧だけなので、カラオケでは高得点を取れても、人の心を揺さぶるような歌を歌うのは難しいと言わざるを得ません。

やはり、楽器は磨き続ける。これが感動を伝える1番の早道です。

感動は楽器そのものに宿る。それを表してくれるのが息であり、声なのです。

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